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カキが例年にない不漁 佐渡市の味覚・加茂湖のカキ 水揚げ量が激減⦅新潟・佐渡市》

2025年3月10日 19:30
カキが例年にない不漁 佐渡市の味覚・加茂湖のカキ 水揚げ量が激減⦅新潟・佐渡市》

佐渡市の味覚・加茂湖のカキ。今シーズンは例年にない不漁に悩まされているといいます。何が起きているのか。養殖の現場を訪ねました。

おだやかに波打つ、佐渡市の加茂湖。この場所でことしある「異変」が起きているといいます。

〈加茂湖でカキを養殖 三浦博人さん〉
「3年前はこのかごに満タンになるくらいカキはとれたんですが、ことしはこの状況。水揚げ量自体は激減しております」

4年前から加茂湖でカキの養殖を行っている三浦博人さんです。

海水が流入し淡水と混ざり合う加茂湖。栄養が豊富な漁場を生かし、約100年前からカキの養殖が盛んに行われてきました。身が柔らかく独特の臭みが少ない加茂湖産のカキ。毎年約60トンほどが出荷されてきましたがことしは…

〈加茂湖でカキを養殖 三浦博人さん〉
「このザマです。普段はこんなに手であげられることがないくらいカキはいっぱい 付いているんですよ」
Q)軽い?
「軽いです。通年より小さいです」

地元の漁協によるとことし1月末までのカキの水揚げ量は、例年の約半分ほどにまで激減。サイズも小ぶりで口が開き、死んでしまったカキも少なくないといいます。他の漁師も……

〈35年前からカキを養殖 伊藤勇一さん〉
「成長不足ですね。薄いです。少なくとも30個くらいついていないとカキ種としては失格なんですよ」

このままだと「廃業」の危機もあると話します。

この記録的な不漁の原因は?加茂湖の水質を調査している団体は「ある魚」が原因の一つでだと分析します。

〈加茂湖活動組織 正司正代表〉
「クロダイによる食害。クロダイのえさとなる生物が死に絶えてしまった。それによってクロダイがカキを食べるようになった」

クロダイの主食はカニやエビいった甲殻類や貝類です。小さなカキであれば食べることもあるといい地元の漁協では20年以上前から対策を打ってきました。しかし、去年1月の能登半島地震の影響で湖の底に堆積していた有機物などが浮かび上がり「青潮」と呼ばれる現象が発生。湖の酸素が不足しクロダイのエサが不足したことから、多くの養殖カキが狙われた可能性があるということです。

カキの養殖を営む三浦さん。大変な状況の中でもクロダイ除けの網を設置するなどして、生産量の回復に取り組みたいと話します。

〈加茂湖でカキを養殖 三浦博人さん〉
「加茂湖のカキは本当においしいのでこれを皆様に知っていただくことが一番だと思いますし、できるだけやれることをやろうとは思っています」

加茂湖の特産を守っていくために…漁協は今後、県に対して支援を求めていくということです。

最終更新日:2025年3月10日 19:30
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