神戸から被災地へ 歌い継がれる「しあわせ運べるように」《新潟》
阪神・淡路大震災からの復興を願い神戸の街で生まれたある歌があります。『しあわせ運べるように』。中越地震の被災地にも届けられ避難生活を送る住民の心に寄り添ってきました。
節目の日を迎えた神戸。追悼式典である歌が披露されました。
「しあわせ運べるように」
阪神淡路大震災で被災した小学校の教諭が復興を願い制作しました。その歌声は全国の被災地に広がっています。長岡市の旧山古志村に住む五十嵐美千子さん。その歌声がいまも忘れられないといいます。
〈五十嵐美千子さん〉
「涙が出てきそうでしたよね。一緒に聞いていた皆さんもそんな感じでしたね。だからやっぱりいい歌なんでしょうね」
中越地震で旧山古志村は陸の孤島となり全村避難を余儀なくされました。
ふるさとを離れての生活…長岡市の避難先で合唱団によって披露されたのが『しあわせ運べるように』でした。当時、小学校の教員だった五十嵐さん。その場で楽譜を譲り受け勤めていた小学校で子どもたちに紹介しました。
〈五十嵐美千子さん(当時)〉
「これはテープをいただいた明親小学校の子どもたちから届いたものです」
その後、神戸の小学校から歌声を吹き込んだテープが届きました。ひとりも多くの人にこの歌を届けたいと子どもたちと避難所で披露したといいます。
〈被災した住民〉
「やっぱりありがたいし、本当に歌詞を聴いてたってジーンとくるしさ」
五十嵐さんは20年経ったいまも楽譜を大切に持ち続けています。
〈五十嵐美千子さん〉
「傷ついた神戸を消して鉛筆で直してある。いろいろ歌を聴いていたけど自分たちのためにびっくりですよね。頑張ってくださっていたのかな」
中越地震から20年。神戸から届いた歌はいまも歌い継がれています。
〈五十嵐美千子さん〉
「びっくりですよ。まだ続いていること自体、大事にしてくださっているだなと思います」
歌が地震で傷ついた人々を明るく照らすことを願って…