再会はいつに 横田早紀江さん88歳に 願いはひとつ「生きている間にひと目会いたい」《新潟》
北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの母・早紀江さんが2月誕生日を迎え88歳になりました。「娘にひと目会いたい…」めぐみさんの同級生たちの支えを受けながら再開の日を待ち続けています。
目を閉じ、最愛の娘との再会の日を願います。
横田早紀江さん。2月誕生日を迎え88歳になりました。2月15日、都内で開かれた集会で娘への思いを語りました。
〈横田早紀江さん〉
「長い年月会いたいとめぐみちゃんのことを私たちは必死で追い求めて引き寄せたいと思っている」
横田めぐみさん。1977年11月、新潟市内で北朝鮮の工作員に拉致されました。
2月4日が早紀江さんの誕生日です。7年前は友人や支援者とともにケーキでお祝い。となりで夫の滋さんが静かに寄り添いました。
〈横田早紀江さん〉
「会いたいですから会うまでは頑張らせてくださいとお願いしている」
この誕生日会から3年後。滋さんは87歳で亡くなりました。
めぐみさんの同級生、池田正樹さん。去年12月、同級生たちで食事会を企画し、早紀江さんを招きました。
〈同級生の会 池田正樹代表〉
「めぐみさんもそうですが(早紀江さんは)明るくてひょうきんなんですよ。(励ます会について)このときは 終始笑顔でスカーフのプレゼントしてとても喜んでいた」
同級生の前でみせた笑顔。ただ老いとともに体調を崩すことが多くなっています。
〈同級生の会 池田正樹代表〉
「(早紀江さんは)去年の3月に自宅で気を失って倒れたんですよ。そのときにふと思われたのが『あと2年でいいですから生かしてください』と心に念じて、そしてふと気が付いて病院に行かれたとおっしゃっていた。本当に時間がないご本人も焦っていらっしゃると思いますよ。4年前に滋さんが亡くなられて、あれからもう4年ですからね」
〈花角知事〉
「政府におかれましては本当に真剣に総理みずから強い決意で取り組んでいることは承知しているが残念ながら進展がみられない」
花角知事など全国の知事は拉致被害者全員の救出を求めて政府に要望書を提出しました。
今回、ある要望を加えました。
〈花角知事〉
「県民、国民の拉致問題の関心を維持していくためにも政府がどういう取り組みをしているのか。可能な限り情報提供してもらえないかと(要望した)」
こうした中、北朝鮮の金正恩総書記の妹・与正氏が昨夜、談話を発表。日本が政治的決断を下せば「首相が平壌を訪問する日が来る可能性もある」との見解を示しました。
ただ、拉致問題については解決済みだとする姿勢を改めて示しています。
北朝鮮はまた能登半島地震をうけ、日本へ見舞いの電報を送る異例の対応を取っています。
〈拉致問題担当相 林官房長官〉
「拉致問題はすでに解決されたという主張はまったく受け入れらないと考えています。拉致、核ミサイルといった諸懸案を包括的に解決する方針に変わりはない」
同級生たちは毎年、めぐみさんの誕生日の10月5日にあわせてチャリティーコンサートを開いています。
拉致からことしで47年。13歳で拉致された少女は60歳になります。
〈同級生の会 池田正樹代表〉
「思いを込めて「お帰りなさい」っていうコンサートでパンフレットもつくらせていただいて、いつもは「再会を誓う」っていうパンフレットつくって予約しているんですけれども今回は「お帰りなさい」っていうコンサートでこのパンフレットで臨もうと思っています」
早紀江さんは自分に残された時間を意識しながら再会の日を待ち続けています。
〈横田早紀江さん〉
「どうして解決できないのかがわからない。どこまで生きることができるのかわかりませんし、生きている間にひと目、『頑張ったね』と言ってあげたい。それだけですね、願いは」
ことしこそ。早紀江さん、同級生たちの願いはひとつです。