特集】創業95年 今年6月に閉業の銭湯「桑の湯」12月リニューアルオープン 店長は26歳 再び地域の憩いの場に②
地方での銭湯リニューアルは初挑戦となる桑の湯の・相良政之さん26歳。客を増やすための戦略の1つが営業時間の拡大です。
これまでは午後3時から夜9時半まででしたが、これを朝5時から深夜1時までに変え、幅広い年齢層を取り込む狙いです。
さらに…、ゆっくり滞在してほしいと脱衣所の間仕切りを移動、休憩スペースを作ることに。
「おじいちゃまおばあちゃまの使い勝手いいものと、子どもスペースだけ最初に組んでから・・・」
話し合いを重ねながら作るこだわりの空間です。
相良さん
「オッケー!かわいいんじゃない?雰囲気めっちゃ合いますよね。滞在時間と満足度は割と比例すると思っていて、今すごく意識して作っています。銭湯×”何か”を増やして価値を感じてもらう」
一方で、かつての桑の湯を象徴するものや使えるものは大切に残しています。
相良さん
「(鏡)めっちゃかっこいいですよね。改めて見てすごいいいなあと思って」
脱衣所の大きな鏡やロッカーはそのままに。昔と今のコントラストを際立たせるため、あえて、新しい木材に色は塗りません。
改修などにかかった費用は、およそ1000万円。
中でも水が止まりやすかったシャワーの修繕には多額の費用がかかりましたが、シャワーの数を減らし、節水用のシャワーヘッドを導入するなどの工夫で乗り切りました。
オープンが近づく中、地元の人を中心としたスタッフも加わり、急ピッチで準備が進んでいます。
スタッフの中には、これまで客として通っていた人や銭湯に惹かれたという高校生も。
アルバイト・藤森深雪さん(72
「子どものころからここ(桑の湯)へ来ていたりしたから。若い人がこういうことやってくれて良いと思いますよ」
アルバイト・高砂愛彩さん(17)
「(桑の湯の)雰囲気とか、入ったときに優しいおばあちゃんがいていいなあって」
アルバイト・小林優心さん(20)
「番台に立ってみたいと思っていて、おじいちゃんおばあちゃんとおしゃべりするのが好きなので」
相良さん
「軌道に乗せなきゃいけないっていうプレッシャーは ありますね。ただ、ワクワクが全然勝ちます。本当に地域に愛される銭湯にしたいなっていう。地域の人を想像しながらニューアルしてるので、その気持ちがちょっとでも伝わればいいなと思います」
昭和の趣を残し、令和に合った形で生まれ変わろうとしている老舗銭湯。
再び地域の「憩いの場」になる日が近づいています。