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支持率72.7% 阿部県政4期目折り返し 人口減少・財源確保 どう描く信州のこれから

2024年9月3日 21:52
支持率72.7% 阿部県政4期目折り返し 人口減少・財源確保 どう描く信州のこれから

長野県知事を務めたのは、歴代39人。このうち、在任期間が丸14年を迎え、3番目の長さを誇る阿部守一知事。

3日発表された県世論調査協会の報告では阿部知事の支持率は72.7%。過去最低となったものの、依然高い数字を維持しています。

信州のかじ取り役は今、何を見据えているのでしょうか。

阿部守一知事
「今回2年前の選挙のときには121の約束をさせていただいていますが今、自己採点をしてきていますけれども約半分弱くらいは一定程度取り組んでくることができたかなと、で、ほかの分野も約9割近くは着手はしてますけれども、私としてはまだまだちょっと改善努力が必要だなというふうに思っています。重要なテーマとして人口減少対策。この、人口戦略は取りまとめ中であります。長野県も急激な人口減少社会になりますので、この人口減少をできるだけスピードを緩和していくということ、それから、人口減少を避けられないので人口減少の中でも活力ある経済や社会をどうつくり上げていくか、この点にしっかりフォーカスして取り組んでいきたいと思ってますし」

こちらは、過去50年の長野県の人口です。大きな弧を描いています。2001年には、222万人を超えていましたが先月1日時点の県内の人口は、199万915人。今年2月におよそ50年ぶりに200万人を割ってから、わずか半年で1万人近く減っています。

Q「人口減少に関して「国と地方の役割分担」ということを述べられていますが、人口減少のスピードというのは、緩めることが今後の課題だと思います。解決に導くために必要な役割分担というのは、どういったことだとお考えでしょうか」

阿部知事
「私はもともともっともっと中央集権国家から分権型社会にすべきだと思ってますが、特にこの人口問題見たときにいくつか問題だろうと思っています。1つは例えば、長野県でも市町村の皆さんと一緒に子ども医療費の助成を行っています。でこれ、子育て家庭を応援するために非常に重要な制度だと思いますけれども、これ国は全く関与していません。これだけ子育て支援が重視されてくる中で、これちょっとおかしいなと、本来もっと国が統一的な制度にして財政力がある都道府県もそうじゃない都道府県も同じようなどこに住んでも同じような支援が受けられるようにしていくことが大事だと思いますので、こうした部分は国がしっかり取り組んでもらいたいと思います。これ全国知事会からも国に求めているのは、人口戦略考える上で国がもっと司令塔的な組織体制をつくらないと各省庁縦割りでは十分対応できないと思っています。子育て支援のところはこども家庭庁に一定程度一元化されているわけでありますけれども、ただ人口戦略というのは単なる子育て政策にはとどまりません。街づくりの在り方であったり、あるいは国全体の国土政策どうするかであったり、こうしたこととセットになりますので、これはしっかりとした人口政策の司令塔を国においてもらうということも必要だと思っています」

人口減少の果てに待ち受ける、経済を維持する難しさ。いわゆる県の貯金は、現在500億円台で、2010年の就任時と比べて1.4倍に増えましたが、阿部知事は、新たな財源の確保が重要だといいます。そこで検討が進んでいるのが、観光振興税すなわち宿泊税の導入です。

これは、県内の宿泊施設に泊まった人に課税するもので、信州を「世界水準の山岳高原観光地」とするために使う方針です。

阿部知事
「観光振興財源について、これはあの今までの観光振興施策は、ある意味、県民の皆さんの税金とそれから国からの補助金とか交付税でまかなってきましたが、特に近年、インバウンド、海外からのお客さまも増えてくる中で、観光振興をする財源を県民の皆さんのご負担だけでまかなっていくのは適切じゃないのではないかと、やはりお越しいただく方からも一定の負担をいただくことが望ましいというふうな考え方で議論を進めてきてます。まだ検討中でありますけれども、市町村の皆さん、関係の皆さんのご理解をぜひいただく中で形にしていきたいと思っています」

県世論調査協会によりますと、観光振興税の導入について、県民の7割近くが支持しています。一方、阿部知事の支持率は、選挙のたびに上がりますが、任期の終わりにかけて下がる傾向に。支持する理由も、成果を上げている、特徴が出ている、といったものよりも「大きな問題がないから」と回答した人が圧倒的です。

阿部知事
「長野県の強み、弱みみたいなところですけれども、そうですね、よく私、いろんな方と話していて言われたりするのはやっぱり真面目で質実剛健な県ですよね。あのなんていうかその反面だからなんかあの、目立つとか、いわゆる例えば広報とか、そういう分野はなかなかうまくないんじゃないかと、これ県行政の話ですけれども、言われることが。そういうところはしっかり意識をして、県としては発信力をもっともっと高めていきたいと思っています」1850くらい「時代の変化は非常に早いのでそうした変化を敏感に捉えながら長野県全体を発展させていかなければと思いますし、これまでそうやって発展してきた県ですから、県民の皆さま方とアンテナを高く張りながらですね、対応していきたいなと思っています」

阿部知事は、5期目について「あと2年をしっかりやり抜く、 その後のことは全く白紙」と答えていました。

世論調査の中では、阿部知事の業績が評価されていて、5期になってもよいと答えた人が2割を超えの一方、多選によって組織の硬直化やなれ合いを心配する人が3割を超えています。

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