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汚泥肥料で育てたコメを収穫 持続可能な社会へ 実用化に向けてさらなる検討進める

2024年9月17日 20:52
汚泥肥料で育てたコメを収穫 持続可能な社会へ 実用化に向けてさらなる検討進める

農家の負担を軽くし持続可能な社会の実現を目指して。

県と安曇野市の農業高校が汚泥から作る肥料について共同で試験を進めていて、先週、この肥料を使ったコメの収穫が行われました。

黄金色に輝くイネ。

先週、安曇野市の南安曇農業高校の田んぼでコシヒカリの収穫が行われました。

今回、田んぼで使われたのは今年5月に肥料として登録された下水汚泥肥料「アクアピア1号」です。

「アクアピア1号」は松本市梓川と安曇野市の家庭や工場の汚水が集まる終末処理場「アクアピア安曇野」から発生する下水汚泥を濃縮し脱水したもので、肥料の要素となる「窒素」や「リン酸」を多く含んでいます。

原料のほとんどを輸入に頼る肥料の価格がロシアによるウクライナ侵攻以降高騰していることなどから県は昨年度から汚泥肥料の利用できる可能性を検証しています。

南安曇農業高校3年 中野幸太さん
「汚泥(の稲)を刈った時に刈りごたえが増しているので汚泥は肥料として今年も使えているなという印象です。安曇野の農業を持続可能なものにできるように今の段階から化成肥料に代わるものができたらいいなと考えています」

実際、この日の収穫量は汚泥肥料を使用した田んぼで82.7キロ。

一方、化成肥料を使った田んぼでは81.2キロ。

汚泥肥料の方が多くの量を収穫することができました。

県犀川安曇野流域下水道事務所 八町博明 所長
「廃棄物として処理しているものが資源という形で地産地消という形で皆さま方に届けられるというのが実現できれば大きなメリットです。安全を確かめたうえで広く普及させたいと思います」

今後は、来年3月に行われる試験の報告会を経て実用化に向けてさらなる検討を重ねていくことにしています。

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