【特集①】被災地能登で古民家を修復 木曽出身のボランティア続ける大学生
発生から1年近くが経とうとしている能登半島地震。
震度6強を観測した石川県七尾市で、木曽町出身の大学生が、古民家の修復ボランティアを続けています。
洪水被害を受けた長野市長沼地区で、この夏、行われた土壁の修復講習会。その参加者の中に、能登半島地震の被災者がいました。
森さん
「宿が古民家で、茅葺の屋根のお家なので、土壁とかを修繕を少しでも自分でやれたらいいな」
森さんの宿は、築200年ほどの古民家を改修して、去年オープンしたばかりでした。
自家栽培の米や地元の家庭料理、薪で沸かす五右衛門風呂など、能登の暮らしが味わえる宿です。ところが、1月の能登半島地震で主屋は全壊。隣にある土蔵も壊れ、いまなお、営業が再開できないままです。
そんな宿の修復作業の参考になればと訪れた長野市の講習会。森さんは、ある若者と一緒に参加していました。横浜の大学に通う木曽町出身の鈴木湧土さんです。
鈴木さん
「僕はいま大学生で建築学んでるんですけども、修繕を素人大工仕事なんですけど、ちょこちょこやっています。古民家だとか民家建築の古いものを僕はそれに価値があると思っているんで」
地震のあと、古民家の修復に関わりたいと考えた鈴木さん。知り合いから、能登で宿を営む森さんを紹介してもらいました。今年1月から、2か月に1回ほどのペースで、横浜から車で片道8時間かけて七尾市へ。毎回、1週間ほど?滞在してボランティアで古民家を修復しています。
先月も、2か月ぶりに森さんの宿を訪れました。
正月の地震から10か月、ライフラインこそ復旧していますが、七尾市内にはブルーシートに覆われたままの建物や、地震の傷跡がまだまだ残っています。
鈴木さん
「きょうは何やる予定ですか?きょうは縁側を今ずっと修理していて、そいで今けっこう柱が高かったり低かったりするのでそれを高さ揃えて縁側の床を張る前の根太っていう部位なんですけどそれをつけていく作業をできたらなって思ってます」
歪んでしまった縁側の修理です。床板とそれを支える根太と呼ばれる部材はすべて外した状態。床を張り直す前に、重大な問題を解決しなくてはいけません。
鈴木さん
「ここの柱が五分15mmぐらい下がってるんでそれを上げたいんですけど上がるかどうか」
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