横浜強殺事件で現場に指紋…26歳男が千葉・白井市の事件にも関与か 指示役特定になぜ時間?
先月、横浜市青葉区で住人の男性が死亡した強盗殺人事件で、現場から指紋が見つかっている26歳の男が、その翌日、千葉県白井市で起きた強盗致傷事件にも関与したとみられることがわかりました。
先月15日、横浜市青葉区で住人の後藤寛治さんが死亡した事件では、実行役の男1人が強盗致死などの罪で起訴され、現金の回収役とみられる女が逮捕されているほか、千葉県市川市の強盗致傷事件で逮捕された藤井柊容疑者の指紋が現場から見つかっていて、もう1人の男とともに実行役だったとみられています。
藤井容疑者をめぐっては、船橋市の強盗致傷事件の現場からも指紋が見つかっていますが、その後の捜査関係者への取材で、横浜の事件翌日に白井市で起きた強盗致傷事件にも関与したとみられることが新たにわかりました。現場付近の防犯カメラに藤井容疑者に似た男が映っていたということで、警察は指示役の特定を進めています。
■捜査…アナログ・デジタルの両輪で特定急ぐ
横浜市の強盗殺人事件から15日で1か月です。「指示役」の特定に時間がかかっているのはなぜなのでしょうか? 社会部横浜支局長・久保杏栞記者に最新の捜査状況を聞きます。
大きな理由の1つが、連絡手段に「シグナル」などの秘匿性の高い通信アプリが使われていることです。
「シグナル」は設定により、一定の時間でやりとりがきれいに消えてしまうため、そこに残された「指示役」につながるヒントをキャッチできないことが壁となっているようです。
――「指示役」特定はかなり難しい状況なのでしょうか?
難しい状況であることに変わりないのですが、ある捜査関係者によると、こうした状況でも「指示役」が自分につながるヒントを残す=“ボロを出す”ときが必ずあるといいます。
わかりやすい例でいえば、通話で指示をするときに特有の話し方をしてしまう、被害品を自分の関係先に送ってしまうといったことが考えられます。
「指示役」につながる“ボロ”を引き出すために、警察はいま、「実行役」「回収役」、さらにその次へ…と関係者をあぶり出し、丁寧な取り調べをしたり、被害品の流れを追いかけたりしています。
こうしたアナログの捜査と携帯の解析などデジタルの捜査の両輪で、各県警が連携して「指示役」の特定を急いでいます。