南越前町今庄地区で特産のつるし柿づくりがピークを迎えています。ところが今年は夏の猛暑の影響で加工用の柿が十分に取れず、出荷量は例年の半分以下にとどまる見通しです。

煙でいぶした香りと独特の甘さが人気のつるし柿。

南越前町今庄で伝統を受け継ぎ、昔ながらの製法で作り続ける赤星弘毅さんです。

皮をむいた渋柿を煙でいぶすことで甘みを熟成させる、450年の歴史がある製法です。

すだれのように柿が縄に吊るされた光景は秋の風物詩ですが、今シーズンはすき間も目立つようです。

■今庄特産柿振興会 赤星弘毅会長
「作りたいが、柿がないので、人からもらったり買ったりして、これだけそろえて作っている」

今年は柿の収穫量が多い「表年」にあたりますが、猛暑の影響で柿の木が弱り、収穫を前に実が落ちるという被害が相次ぎました。

出荷量は「裏年」だった去年を上回るものの、例年に比べ半分以下にとどまる見込みです。

■赤星会長
「連続して少ない年が続くと気持ちがしぼんでしまう 若い人が後を継いでくれる人がいないので、その辺りが問題」

生産者の高齢化に伴って技術の継承が課題となっている今庄のつるし柿。

まもなく出荷が始まり、各地の食品スーパーなどに並ぶ予定です。