東京・杉並区で息子などを装って90代の男性から現金をだまし取ったとして、特殊詐欺グループの受け子の少年（18）が逮捕されました。少年は、知らない男からクラブで“闇バイト”に誘われていました。

警視庁によりますと、無職の少年（18）は2024年6月、仲間と共謀して、東京・杉並区の90代の男性に、息子を装って「会社の小切手が入った鞄をなくした」などとウソの電話をかけ、息子の会社関係者を装い、男性の自宅を訪れ、現金335万円をだまし取った疑いがもたれています。

■“闇バイト”きっかけはクラブでの声かけ

少年は同じ月に、千葉市のクラブで、1人で遊んでいたところ、「簡単な荷物運びでお金がもらえるよ、受け取った金額の5％を報酬としてもらえる」などと見知らぬ男から声をかけられたことがきっかけで”闇バイト”を始め、特殊詐欺グループの受け子として犯罪に荷担するようになったということです。

その後、少年は秘匿性の高いメッセージアプリ「シグナル」に誘導され、“指示役”に運転免許証の写真を送らされていました。

こうして少年は犯行を繰り返したとみられ、特殊詐欺の受け子としてすでに、2度逮捕されたほか、他にも7件受け子をしたとも話していて、計10件で4000万円ほどをだまし取ったとみられています。

■「家族が危険になると思い…」少年の後悔

調べに対し少年は容疑を認め、「一件くらいなら引き返せると思い、やめたいと言ったら、指示役から『やめるなら代わりのやつを探せ』と言われた」「勝手にやめたら家族が危険になると思い、逮捕されるまでやめられなかった」という趣旨の話をしているということです。

警視庁滝野川署は“闇バイト”について、「入ったら最後、抜けることはできないので安易にこう言った話には乗らないでほしい。もし今闇バイトに関わってしまっている人は警察が保護するので相談してほしい」と注意を呼びかけています。