いわてことし⑤事件・事故 贈収賄事件・公務員の飲酒運転検挙
続いては、県内のこの一年を振り返る「いわてことし」です。5回目は、「事件・事故」などを振り返ります。
1月、雫石町の老舗温泉旅館「長栄館」の元社長・照井貴博被告ら3人が国の新型コロナ関連の補助金をだまし取った詐欺の疑いで逮捕されました。複数の詐欺事件であわせて4億円以上を不正受給したとみられ、現在も裁判が続いています。長栄館は6月に営業を終了し、事業を譲る先を探しています。
佐藤善仁市長
「起きたことの根の深さ、どこまで広がっていくのかという不安のようなものを多くの市民の皆さんも抱いているのではないかと思う。そういった点についても大変申し訳なく思っている」
一関市では公共工事を巡る贈収賄や官製談合事件が相次ぎました。5月、市が発注した水道工事をめぐる贈収賄事件が発覚。逮捕・起訴された元職員の男は、設計価格を業者に漏らし、その見返りに飲食の接待などを受けた加重収賄などの罪に。水道工事会社の元役員の男は、贈賄などの罪に問われました。さらに別の公共工事を巡る官製談合事件で、現役の職員と市内の工事業者の3人が逮捕・起訴されました。裁判では市の元職員、現役の職員らに執行猶予付きの有罪判決が言い渡され、現役の職員は判決を不服として控訴しています。
9月、盛岡少年刑務所で起きた贈収賄事件。収賄などの疑いで刑務官の坂本孝誠被告、贈賄の疑いで受刑者の男がそれぞれ逮捕・起訴されました。坂本被告は受刑者にアルコールなどを差し入れた見返りに現金を受け取ったとされるほか、別の受刑者との贈収賄でも逮捕・起訴されていて、今後、裁判が行われます。
去年8月、滝沢市で当時72歳の男性を殺害し通帳などを奪ったとして逮捕・起訴された佐藤廣明被告。逃走のため車を奪うなど岩手と青森県内で起こした8つの罪に問われました。ことし7月に盛岡地裁で開かれた裁判員裁判。裁判長は身勝手な犯行と断罪し、無期懲役の判決を下しましたが、佐藤被告は、これを不服として仙台高等裁判所に控訴しました。
11月、北上市と二戸市のコンビニエンスストアで、強盗・強盗未遂事件が相次ぎ発生。どちらの事件もけが人なし、犯人も逮捕された
ことし県内で事故で亡くなった人は、今月19日時点で28人と過去最少。うち65歳以上の高齢者は6割以上(18人)。深刻な状況続く。
今野あさひ記者
「現場は閑静な住宅街です。こちらの生け垣、黒く焦げてしまっています」
9月、盛岡市内の住宅街で発生した民家の生垣が燃やされる事件が発生。犯行の瞬間を防犯カメラが捉えていました。放火の疑いで逮捕されたのは、近くに住む29歳の会社員の男でした。
10月には、奥州市で自動販売機などが燃え、近くに住む三浦泉容疑者87歳が放火の疑いで逮捕されました。三浦容疑者は、さらに、農機具販売店に展示されていたコンバインに火を付けたとして再逮捕されました。
空撮カメラマン
「山火事が起きている現場上空です。かなりの広範囲にわたって白い煙が上がっているのが確認できます」
今年は大規模な山火事も発生。4月、宮古市で起きた山林火災は実に9日間にわたり燃え続けました。
佐藤淳也記者
「きのうから続く林野火災の火が住宅のすぐ近くまで迫ってきています」
人的被害はありませんでしたが、約180ヘクタールが焼け、被害額は、約3億円に上りました。
11月、自転車のルールが大きく変わり、ながらスマホは「6か月以下の懲役または10万円以下の罰金」酒気帯び運転は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」と罰則が強化されました。
今月、一関市の男性職員が自転車の酒気帯び運転で摘発されるなど、先月1日の罰則強化後1か月間の県内の検挙件数は、15件となっています。
また、ことしは教職員など、公務員の飲酒運転が目立った年でもありました。先月末、県教委は宮古市内の高校教諭が検挙されたと発表。今年度、小学校講師と高校教諭あわせて2人が飲酒運転で懲戒免職処分となり、飲酒運転の根絶に向け、通知を出したばかりでした。
さらに先月は盛岡東警察署の警察官が知人3人を乗せて自家用車を酒気帯び運転し逮捕され、罰金30万円の略式命令を受けました。
♪岩手県警察本部生活安全企画課 佐々木亜貴子特殊詐欺対策室長
「警察手帳や逮捕状などの関係書類を画像で見せることは絶対にありません。見せられたら詐欺と思って間違いない」
警察官などを名乗り、金銭をだまし取る特殊詐欺が相次ぎました。県内で確認された被害は、ことし1月から先月末までに16件、被害総額はおよそ2億6000万円に上っています。去年は警察官などをかたる詐欺は確認されておらずことし被害が急増していて、警察が注意を呼びかけています。