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【岩手山】噴火警戒レベル「2」に引き上げ 周辺の観光関係者は 岩手

2024年10月3日 18:33
【岩手山】噴火警戒レベル「2」に引き上げ 周辺の観光関係者は 岩手

 岩手山の噴火警戒レベルが2日、レベル2の「火口周辺規制」に引き上げられました。岩手山で何が起きているのか。そして、周辺の観光関係者の受け止めなどを取材しました。

記者「厚い雲に覆われているこちらの山が岩手山です。麓の八幡平市では、紅葉シーズンがピークを迎えるこれからの時期、訪れる人に正確な情報を確認しながら、観光を楽しんでもらいたいと話しています」

 2日、噴火警戒レベルが、5段階の一番下「レベル1」から、「レベル2」の「火口周辺規制」に引き上げられた岩手山。すべての登山ルートが立ち入り禁止となりました。

 今回、警戒が必要なのはこの地図の赤い線で示された楕円形の部分。「大地獄谷」の火口から半径2キロの範囲です。噴火口が帯状に連なっているため、警戒範囲は楕円形となっています。

 「大地獄谷」は今回、衛星による観測によって、地下の浅い部分で山が膨らんでいることが分かり、「水蒸気噴火」が発生するおそれがあるとして、噴火警戒レベルが2になりました。

 「水蒸気噴火」は、「マグマ噴火」より規模が小さく、気象庁は、仮に噴火が起きたとしても大きな噴石の飛散など、影響が出るのは、火口周辺のみとみています。

専門家も・・・

齋藤徳美 岩手大学名誉教授
「今の状態で言えば人の住んでいる所に直接的な影響はないと推定しています」

 このため、岩手山周辺の温泉や観光地には影響はなく、風評被害をなくすこと、自治体の指示に従って規制範囲に入らないことが大切です。

 八幡平市のこちらのホテルでは、5日予定していた岩手山登山の企画を別の山に変更しましたが、大きな混乱はなく、冬場のスキー場も通常どおり営業できる予定だということです。

八幡平マウンテンホテル 佐藤圭一 総支配人
「まずは正しい情報を持ち、正しく恐れ、上手につきあっていくというのが自然との付き合い方」「まさにこれから紅葉の見ごろを迎える八幡平、三ツ石山。これは規制の対象外なので、ぜひ楽しみに来てもらい、八幡平の大自然を満喫してほしい」

 また、八幡平市観光協会では、10月19日、20日の土日に七滝のウオーキングなどを予定していますが、登山道を通ることから中止するか、コースを変更するか対応を検討しています。

 事務所には、旅行会社や観光客からきのうだけで数十件の問い合わせがあったということで、正確な情報発信につとめたいと話しています。

八幡平市観光協会 海藤美香さん
「生活もそのままでいいという情報なので、観光客にも予定通り観光を楽しんでもらいたいし、岩手山登山を予定していた人には代替のコースを選んでもらえるようにしたい」

 登山は規制されているものの、岩手山周辺の観光地に影響はないとされいます。1998年の入山規制では防災と観光の両立が大きな課題となっただけに、冷静な行動が求められます。

    テレビ岩手のニュース