冬の岩手の様々なスポットに集う人たちをシリーズで紹介しています。最終回は、県民はもちろん、海外の観光客も訪れる「もりおか歴史文化館」の1日に密着しました。
盛岡市内丸の「もりおか歴史文化館」。盛岡藩の貴重な史料を展示しているほか、観光案内など盛岡の観光の拠点にもなっている場所です。ここにはどんな人達が訪れるのか…ある1日に密着しました。
午前8時50分、オープン直前の館内には展示室を見回る学芸員さんの姿が。
Q「何か作業されてた感じですか？」
学芸員「そうですね、朝イチで館内温湿度のチェックと状態を見ながら、展示物の状態の確認を学芸員が毎朝やっております」
貴重な史料が傷まないよう、コンディションのチェックも大切な業務。さらに見回りを続けていると、何やら展示物に問題が。
学芸員
「ちょっとキャプションが倒れてしまってるということで。実はこの展示史料をショップの方で売ってまして、 それを紹介するキャプションが 倒れてしまってたので、それを直してくださいという」
私たちが貴重な史料を見ることができるのは、こうした学芸員さんたちのきめ細かな気づかいがあってこそ。ありがとうございます！
施設がオープンすると、2階の展示室にはさっそくお客さんの姿が
Q「今日はどちらからいらっしゃったんですか？」
客「仙台から」
Q「目的は？」
客「観光で。やっぱり来た以上は歴史も勉強しないと思って、盛岡の。まぁそんな感じですかね」
この日は仙台からの日帰り旅行。もともと歴史が好きでこの施設に足を運んだそうです。
午前10時40分、続いてやってきたのは…
Q「おはようございます。今日はどちらから来ましたか？」
高校生「山田町から来ました。山田高校です。山田高校で山田の歴史を最初に考えて、盛岡の歴史と比べるっていう学習だったので、色んなことを学びたいなと思って来ました」
盛岡市での研修の一環で訪れた山田高校の1年生たちです。館内に展示している秋祭りの山車にも興味津々です。
Q「他の町から来た人にとってこういうのを見るとどう感じる？」
高校生「迫力がすごいと思います」
Q「山田祭りはどうですか？自分の町のお祭りは」
高校生「え～…とてもいいと思います 笑。やっぱり山田祭りと違って盛岡の祭りというのは、物が大きくて一つ一つ目立つなと思いました」
一方、2階の展示室には、先ほどお話を聞いた仙台からのお客さんが。
客「時間で1時間半くらい見たんじゃないですか？」
Q「見応えも結構あったんじゃないですか？」
客「ありましたね。結構勉強になりました。とにかくすごい。今の時代が私いい時代に生まれてるなっていうね。それを実感したね」
盛岡の歴史を勉強し、大満足の様子。束の間の盛岡観光、楽しんでください。
午後1時30分。奥の研修室では何かを準備している学芸員さんの姿が。
学芸員「明日『れきぶん講座』っていう市民向けの講座の準備を今はしてます。今回は2階で開催中の企画展の展示を見るだけじゃちょっと不十分なところを、担当学芸員が解説しますという講座になってます」
施設で開かれる企画展の内容は学芸員が考えています。現在開催されているテーマは、福島さんが提案したもの。そのため、お客さんの反応も気になるんだとか。
学芸員
「職業柄、こういう講座でもない限り直接来館者の方とふれあうことって意外と少ないんですけど、『すごく面白かったです』って言ってくださったり、『来てよかったです』というコメントをいただくとすごく嬉しいですね」
午後2時20分。1階のショップに買い物かごを下げた男性を発見。
Q「結構買われるんですか？」
客「来た時は買いますね。東京からです。いつも盛岡に来た時には寄るんで、今回どんなイベントやってるのかな？とのぞきながら」
1階のミュージアムショップには施設でしか買うことのできないオリジナルグッズなどもあり、人気を集めています。こちらの男性も、お土産に絵はがきを購入したそうです。
そして、2階の展示室にやってきたのは、外国人のカップル。
客「オーストラリアから来ました」
Q「盛岡の印象はいかがですか？」
客「大都市ですが、小さな町のような雰囲気があります。居心地が良くて、とてもフレンドリーですね」
客「城跡を探索していたら 地図で近くに博物館があることを知りました。私たちは歴史博物館が大好きなので」
学芸員
「今こうして外国の方に来てもらった時に、やはりそういう人達に盛岡のことを知ってもらう、もっと言うと盛岡を好きになってもらうことがうちの館の使命ですので、外国人だけでなくて、より多くの人たちに盛岡を好きになってもらいたい。その一つのきっかけがうちであってもらえたら本当に嬉しいなと思ってやっております」
学びを深める場所、そして盛岡をより知ってもらう観光の拠点として、施設はきょうも、多くのお客さんを迎えます。
