ことし7月の記録的大雨で住宅が浸水する被害を受けた戸沢村蔵岡地区。住民を対象に行った「集団移転」への是非を問うアンケート結果を26日、村が公表しました。結果は全住民の9割以上が集団移転に賛同でした。村は今後、県と国と協議し集団移転を進めます。

集落全体が浸水被害を受けた戸沢村蔵岡地区。村は9月19日に蔵岡地区69世帯の全ての住民を対象に意見交換会を開き、国の「防災集団移転促進事業」について説明しました。この事業は災害の恐れがある地域から住民の集団移転を促し、その費用を国などが支援します。
戸沢村は蔵岡地区の住民に集団移転の是非を問うアンケートを用紙を配布し、7割以上の賛同が得られれば集団移転を進めるとの方針を示していました。
村は26日、アンケートの結果を公表しました。

戸沢村加藤文明村長「おおむね90％以上の賛成がありましたので、集団移転に向けて、県及び国と十分協議して進めていく」

村によりますと、アンケートは蔵岡地区の全世帯にあたる69世帯から回答があり、集団移転の是非については「賛同する」もしくは「条件が合えば賛同」するとの回答が9割を超えたということです。また「蔵岡地区に住み続けたいか」という質問については「住み続けたい」が13パーセント。「蔵岡地区以外に住みたい」が86パーセントでした。「移転先について」は村が指定する場所にしたいが74パーセント。それ以外にしたいが20パーセントとなりました。

戸沢村加藤文明村長「自分たちの安心安全な安住の地を求める大きな現れだと重く受け止めている」

今回の結果を受けて地区住民は・・・

蔵岡地区会山崎昇会長「今後、子どもの世代、孫の世代を考えるとここには住めないという感情を持っている人が非常に多くなってきているのが実情。今後、地区の検討委員会を立ち上げながらやっていきたい」

国土交通省によりますと1972年の集団移転制度の創設以来、県内では過去2回、集団移転が行われています。1回目は1974年3月に酒田市の旧平田町で発生した地すべりで16戸。2回目は同じ年の4月に大蔵村で山崩れが発生し20戸が移転しています。

村は集団移転する時期や場所については未定とした上で今後、住民に対する意向調査を実施し、県や国との協議を進めていくとしています。