大雨で被災した山形県戸沢村蔵岡地区の寺で墓参り ボランティアの協力でお盆に間に合う
8月13日は盆の入りです。7月の大雨で墓に土砂が流れ込んだり、本堂が浸水被害を受けたりした山形県戸沢村蔵岡地区の寺では、ボランティアたちによる泥の撤去でようやくお盆の墓参りを迎えられました。
戸沢村蔵岡地区の「長林寺」には、13日朝から地域住民や帰省した人たちが墓参りに訪れました。
墓参りに訪れた人「(ご先祖様とは)守ってくださいと話をした。お盆のお墓参りだけでもできてそれだけでも心が休まる」
こちらの寺には、7月25日からの大雨で増水した最上川の水が押し寄せ、墓石が泥に覆われました。さらに一帯は泥でぬかるみ、墓参りができないほどの状態となりましたが、これまで延べ300人ほどのボランティアが泥を撤去する作業を行い、お盆の時期に間に合ったといいます。
墓参りに訪れた人「感謝しきれない。自分たちでできなかったことをみんながやってくれてお寺さんも被害を受けて大変なところをいろいろしてくれてありがたく思っている」
増水した川の水は寺の本堂の中にも押し寄せました。
長林寺 斉藤仙邦 住職「水はやっぱりここまで上がっています。 観音様があるが下の段がみんな流れてどこかにいった。みんなその線まで全部ものすごく泥がついていた。それを全部ボランティアの方がふき取ってくれた」
こちらの部屋では大雨によって位牌を納めていた厨子が川の水に流され、部屋中に散乱しました。現在も行方が分からなくなっている位牌や所有者が確認できない厨子があるといいます。
長林寺 斉藤仙邦 住職「単にここがきれいになるんじゃなくて、これを見た人がここがきれいになったんだと思ってくれるだけで、何か力を得られるんじゃないか。お盆供養はみんなでお参りしてもらって明日はご祈祷します。祈りですよ。やっぱり」
長林寺ではこれまで、毎年お盆に檀家による合同供養を行ってきましたが、ことしは大雨を受け、蔵岡地区の住民を元気づけたいと、14日に合同供養の代わりにイベントを開催するということです。イベントでは住民の幸せを願う祈祷のほか落語や音楽の演奏も行われる予定で「住民たちに少しでも楽しんでもらいたい」と話しています。