山形県職員の潜水作業中の死亡事故 県人事委員会が労働安全衛生法違反の疑いを視野に調査
鶴岡市の沖合で山形県水産研究所の男性職員が潜水作業中に死亡した事故をめぐり、県職員の労働環境の管理・監督を行う「県人事委員会」が、水産研究所の管理体制に問題があった労働安全衛生法違反の疑いを視野に調査していることがわかりました。
この事故は、鶴岡市温海の沖合で4月2日、稚貝を採取する器具を設置するため一人で潜水作業をしていた県水産研究所の職員、五十嵐大将さん(31)が海底で沈んだ状態で見つかり、その後、死亡したものです。死因は溺死でした。
この事故をめぐっては、県水産研究所では安全対策のために潜水作業を「2人1組で」行うこととしていた内規に反して単独による潜水作業が常態化していたほか、事故当時、監視役の職員から異常を知らせる連絡を受けた副所長がすぐに救助を要請しなかったといった管理不備が明らかになっています。
今回の死亡事故について県職員の労働環境の管理・監督を行う「県人事委員会」は、水産研究所の管理体制に問題があった労働安全衛生法違反の疑いを視野に調査に乗り出したということです。
県人事委員会は今後、県水産研究所への立ち入り調査を行う方針です。立ち入り調査が行われれば、過去10年で初めてのケースだということです。調査の結果、労働安全衛生法違反に当たると判断した場合、水産研究所に対して再発防止に向けた是正勧告などを行う可能性があるとしています。
吉村知事「五十嵐大将研究員のご冥福をお祈りしますとともにご遺族の皆様に対して衷心よりお悔やみを申し上げます」
一方、吉村知事は9日、死亡事故について改めて業務管理に不備があったとの認識を示した上で再発防止に取り組む考えを示しました。事故をめぐっては現在、酒田海上保安部も事故の原因などを捜査しています。