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連絡を受けた副所長がすぐに救助要請せず 潜水作業中に死亡した山形県職員の事故 単独作業も昨年度7回

2025年4月7日 9:26
連絡を受けた副所長がすぐに救助要請せず 潜水作業中に死亡した山形県職員の事故 単独作業も昨年度7回

鶴岡市の沖合で県水産研究所の職員が潜水作業中に死亡した事故で当時、連絡を受けた研究所の副所長がただちに救助要請を行わなかったなどの管理面で問題があったことが7日午後、明らかになりました。

この事故は鶴岡市温海の沖合で今月2日、潜水作業をしていた県水産研究所の職員・五十嵐大将さん(31)が海底に沈んだ状態で見つかり、その後、死亡したものです。当時は五十嵐さんが1人で潜水作業にあたり、潜水の知識などを持たない職員1人が岸で監視していました。

県農林水産部高橋和博・部長「五十嵐大将さんのご冥福を心よりお祈りしますとともにご両親をはじめご遺族のみなさんに深くお悔やみ申し上げます」

7日午後、記者会見を開いた県農林水産部の説明によりますと当時、監視を行っていた職員が、作業開始からおよそ1時間半が経過した時点で県水産研究所の副所長に電話で連絡しました。しかし、副所長は事前に作業時間として決めていた2時間が経過したら再度電話で連絡するように指示したということです。その後、2時間が経過した時点で監視の職員が再び副所長に連絡し、地元漁業者の協力を得て捜索が開始されました。

県農林水産部 小泉篤次長「監視の会計年度任用職員からの電話連絡を受けた副所長が連絡を受けた時点で 事故の可能性を疑うべきにも関わらず救助要請の対応をただちに行うことをしなかった」

研究所の内規では「潜水作業は2人一組で行う」と規定していますが、五十嵐さんと一緒に海に潜る予定だった職員が体調を崩したため単独で潜水したということです。また「2人1組」と定めた内規は若手研究員に周知されておらず昨年度(2024年度)は単独で潜水作業をすることが7回あったということです。所長や副所長は1人での作業を認知しても2人で作業にあたるよう指導していませんでした。

県農林水産部 高橋和博部長「管理監督の不行き届きの中で 一人潜水が増えていってしまったことは組織の管理監督の責任が非常に重いと認識している」

県は再発防止策として内規の見直しと周知や2人1組で作業することの徹底などに取り組むとしています。一方、酒田海上保安部は、五十嵐さんの死因について溺れたことによる窒息死だったと発表しました。

最終更新日:2025年4月7日 10:36
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