赤ちゃんの遺体を海岸に投げ捨てた罪に問われた母親に執行猶予付きの有罪判決 山形地裁
自ら出産した赤ちゃんの遺体を千葉県の海岸に投げ捨てたとして死体遺棄の罪に問われた母親に対し、山形地方裁判所は懲役10か月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
死体遺棄の罪に問われ判決を受けたのは愛媛県松山市の無職・上田綾乃被告(38)です。判決によりますと上田被告は去年3月1日から2日までの間に、自ら産んだ赤ちゃんの遺体を東京都内から千葉県銚子市の犬吠埼の駐車場に運び、近くの崖下に遺棄したとされています。
裁判では上田被告が、当時同棲していた埼玉県の男からおよそ3年間「修行」と称する暴力を日常的に振るわれていたことなどが明らかになっていて、上田被告の責任能力が争点となっていました。
山形地裁で27日に開かれた裁判で、佐々木公裁判官は上田被告が当時、自身の判断で犯行が発覚しないように赤ちゃんの遺体を不透明なビニール袋に入れたり、血が付いた服を着替えたりしていたことを指摘し、心神耗弱状態で責任能力がなかったとする弁護側の主張を退けました。
その上で、犯行の背景には酌むべき余地があり、現在は家族と暮らし、更生が期待できるとして、懲役10か月の求刑に対し懲役10か月・執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。