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天童市で白ザル目撃 米沢市の「吾妻の白猿」の一匹が移動か 上山や新潟県境でも目撃例

2024年6月7日 16:38
天童市で白ザル目撃 米沢市の「吾妻の白猿」の一匹が移動か 上山や新潟県境でも目撃例

山形県天童市で5月、全身が白い毛に覆われた白ザルが撮影されました。専門家は、米沢市の天然記念物「吾妻の白猿」が移動してきたものではないかと推測しています。

全身が真っ白い毛に覆われたニホンザル「吾妻の白猿」。米沢市の西吾妻山周辺で生まれ、米沢市の天然記念物に指定されています。アルビノなどの突然変異ではなく定期的に生まれる白ザルとしては、国内で米沢市以外に生息例がありません。
5月20日に撮影された白ザルの写真。撮影地の天童市は米沢市からおよそ60キロ離れています。
その姿は、「吾妻の白猿」にも見えます。同じ日に同じ場所で撮影された別のサルと比べても色の違いがはっきりとわかります。
撮影したのは天童市内に住む小学4年生の高橋優斗君。下校中に毛の色が白いサルを発見し、学校のタブレットで撮影しました。

白ザルを撮影した高橋優斗さん「白いサルがいてびっくりした。全然色が違った」高橋優斗くん「木に登って何かを食べていた」

白ザルは、近くのサクランボの木に登って実を食べていたといいます。
なぜ、天童市内で白ザルが見つかったのか。山形大学で白ザルを研究している小酒井貴晴教授によりますと、白ザルはこれまでにも、新潟県と山形の県境や、上山市内でも目撃報告があったといいます。小酒井教授はニホンザルのオスは定期的に群れを離れる習性があり、今回撮影された白ザルは米沢市から移動したのではないかと推測しています。

山形大学 小酒井貴晴教授「正直天童市で白いサルが目撃されたのは驚いた。ニホンザルの特性としてオスのサルが同じ群れに留まることは難しく別の群れに入って移動する。米沢の白ザルも目撃されたもので3、4年でいなくなる。その中の1匹が今回天童まで流れ着いたのかもしれない」

「吾妻の白猿」を40年以上記録し、米沢市の求めで生態を調べている白猿会の会長縮文夫さんにも画像を確認してもらいました。

白猿を記録している縮文夫さん「普通のサルではない。間違いなく白ザル」

今回目撃された白ザルの性別はまだ分かっていません。縮さんは、仮にオスなら、2018年から姿が見えなくなったオスの白ザルではないかと推測しています。

縮さん「観察始めてから11匹ほどオスの白ザルがいなくなっている。てんという白猿は2018年2月4日以降見えなくなった。オスの白ザルであれば米沢から行っているのではないか」

今回天童市で新たに発見された白ザル。謎が多い「吾妻の白猿」の生態をひも解く鍵になるかもしれません。

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