今年度で閉校の県立米沢商業で最後の卒業式 校長としても最後のはなむけの言葉は

4月1日新しく誕生する山形県立米沢鶴城高校への統合のため、122年の歴史に幕を下ろす米沢商業高校で1日最後の卒業式が行われました。友へ、先生へ、そして保護者に77人の卒業生から感謝の涙があふれました。
閉校まで1か月、米沢商業高校で最後の卒業式の日を迎えました。米商の名を全国にとどろかせてきたホッケー部。
「部員は家族です」
卒業アルバムに仲間や後輩から書き込まれる寄せ書き。先生からのメッセージも。一つのことに打ち込んできた高校生活です。
青嶋亜弥「本当に濃いですね」
「楽しかった。言い表せない。ほんとに泣くんですよ子。3年間のこと思うと泣くぐらい濃い」
伊藤広幸校長が、学校の元職員から送られたという1枚の写真を見せてくれました。
「サクラがいったん散って、別の川の流れに流れていくみたいな。とても気に入ってます」
60歳を迎え、閉校とともに校長という役職が定年となる伊藤校長。自分自身をこの写真に重ね合わせます。さらに、卒業生の未来にも通じるものがあると考えています。
伊藤校長「生徒は散るわけではないが米沢商業というのはあくまでも一つのステージなんですね。次のステージ次のステージと生徒たちは新たなステージを求めていってほしいなと」
3年生の担任の先生らと記念写真におさまる伊藤校長。
伊藤校長「3年生の先生方ほんとに3年間ありがとうございました。担任の先生2人ね、初めてで大変だったと思うんですけども、きょうの感激、絶対あると思うのでそれを忘れずに教員生活を頑張ってほしいです」
お金では得られない感動をこの卒業式で経験してほしいと思っています。
最後の卒業生は商業科2クラスの77人です。
前の生徒会長、畠中莉乃さん。卒業生代表として答辞を述べます。
畠中さん「緊張しますね」
卒業生たちは、伊藤校長が校長になった年に入学してきました。伊藤校長とともに、高校生活を送って来た生徒たちです。
「卒業生、商業科1組あおのるな」「伊藤美咲」
77人の卒業生の名前が読み上げられていきます。そして、卒業生の代表、坂野雅姫さんに卒業証書が授与されました。
2か月ごとに、生徒を鼓舞する合言葉を学校に掲示し、生徒を動かしてきた伊藤校長が3年生に最後に送ったはなむけはその中の言葉でした。
伊藤校長「言葉は意識を変え、意識は行動を変え行動は結果を変える。まずは声に出してみよう。すると自分の意識も変わるし、それを聞いていた人が良いアドバイスをしてくれるかもしれない。そうすると行動に移すことができる。行動すると何かが起きます。すると予想しない良い結果につながるものだと思います。声に出そう、行動しよう、何かが変わる」
そして、こうエールを送りました。
伊藤校長「頑張れば顔が晴れる無理にでも明るくしてみてください。きっといいことがあります。我らチーム米商、皆さんが力強く人生を謳歌することを祈り、式辞といたします」
式では、在校生を代表し生徒会長の鈴木美々優さんが送辞を述べた後、卒業生を代表し、畠中莉乃さんが答辞を読み上げました。
畠中莉乃さん「この3年間、どんな時も私たちを笑わせ元気にしてくれたのは友だちでした。長い時間をともに過ごし、くだらないことで笑いあったりふざけあったりした日々は私たちの大切な思い出です。
感謝の言葉は先生、そして家族に向けられました。
畠中さん「18年間育ててくれてありがとう。小さかった私たちがこうして今、卒業式を迎えられているのは家族のみんなが支えてくれたからです。私たちはこれからもっともっといろいろな経験をしていろいろなことを学んでいつか必ず恩返しをします」
そして卒業生全員で旅立ちの歌を合唱しました。
クラスでは、保護者が見守る中卒業証書が一人一人に手渡されました。
卒業生「お母さんとお父さん、18年間育ててくれてありがとうございます。いつも私のしたいことをさせてくれてありがとうございます。就職しても迷惑かけると思うけどよろしくお願いします」
感謝は先生にも
「いっぱいお話聞いてくれてありがとうございます。先生がいなかったら学校来れなかったです」
卒業生は進学・就職と新たなステージへ。閉校まであと27日です。