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長時間勤務で職員自殺「勤務状態把握すべきだった」 甲府市に5800万円の賠償命令 山梨

2024年10月22日 15:07
長時間勤務で職員自殺「勤務状態把握すべきだった」 甲府市に5800万円の賠償命令  山梨

 甲府市役所の職員の男性が自殺したのは長時間勤務などが原因として、遺族が市に約8000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、甲府地裁は22日、市に約5800万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

 訴えを起こしていたのは、2020年1月に市役所庁舎で自殺した甲府市の係長だった向山敦治さん(当時42)の遺族です。

 訴状などによりますと、向山さんは2019年4月に事務効率課に配属。過重な長時間勤務で心理的負担が強まり、勤務中に自殺しました。向山さんの残業時間は自殺前の1カ月間で148時間、その前の月は209時間に及び、遺族は「常軌を逸した長時間勤務で自殺に追い込まれた」などと訴えていました。

 判決で甲府地裁の新田和憲裁判長は長時間勤務を認定した上で、「当時の上司が口頭で退庁時間を聞くだけでなく、パソコンの稼働時間など記録を確認し勤務状態を把握すべきだった」と安全配慮義務違反を認めました。

 一方、市側は「業務用パソコンの稼働時間は私的な利用もあった」と主張していましたが、判決では「パソコンを使っていた時間の大半が業務だった」として、市に対して約5800万円の支払いを命じました。

向山さんの父・隆さん
「私どもの立場や心情に十分配慮いただいた上での判決だと感じる」

原告側の弁護士
「当然の判決だと思う。あまりにも当然だから、なぜこの裁判を甲府市が争ったのか」

 判決を受け、甲府市の樋口雄一市長は「判決文の内容を精査し、今後の対応を検討していく」とのコメントを出しました。

最終更新日:2024年10月22日 19:05
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