暴力団幹部の男など4人が、長崎市内の道路上にバリケードを設置し、付近住民から通行料を脅し取ろうとしたとして、大阪府警は21日、組織犯罪処罰法違反（組織的恐喝未遂）の疑いで逮捕したと発表しました。

　逮捕されたのは、暴力団幹部の渡辺誠容疑者（55）や不動産業の田中啓仁容疑者（53）ら4人です。

　大阪府警などによりますと、渡辺容疑者らは2019年10月から11月の間、長崎市青山町の道路上にバリケードを設置し、付近住民の数十人から通行料を脅し取ろうとした疑いがもたれています。

　道路の幅約8メートルに対し、バリケードは幅約5メートルで、鉄製のパイプやコンクリートブロックなどで作られ、「侵入禁止」と書かれたプレートが貼りつけられていました。

　渡辺容疑者は付近住民に対し、「1戸建て原則1世帯月額1万円・車所有なし月額3000円・複数台所有1台増加につきプラス月額3000円・自動二輪のみ所有月額5000円・事務所併設プラス月額5000円」と書かれた通知文を回していたということです。

　大阪府警が別の恐喝事件を捜査する過程で、今回の事件に渡辺容疑者らの関与した疑いが浮上したということです。

　道路は田中容疑者の会社の敷地内の私道ですが、生活道路として付近住民が使っていた実態があり、長崎地裁が2019年11月、バリケードの撤去を命じる仮処分の決定を出し、その後、撤去されていました。

　大阪府警は4人の認否を明らかにしていませんが、暴力団の資金源にしようとしていたとみて詳しく調べています。