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【速報】「知事のもとでは働けない」県職員労組が兵庫県・斎藤知事の『辞職』申し入れ パワハラ疑惑 告発した県職員死亡

2024年7月10日 10:46
【速報】「知事のもとでは働けない」県職員労組が兵庫県・斎藤知事の『辞職』申し入れ パワハラ疑惑 告発した県職員死亡
斎藤知事の辞職を求める県職員労組(10日午前)

 兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラなどを告発した元幹部の男性職員が死亡したことを受け、県職員の労働組合が10日、知事に対して責任ある対応を求める申し入れを行い、知事に辞職するよう求めました。

 7日、斎藤知事のパワハラや企業からの贈与品の受け取りなどを告発した元幹部の男性職員が死亡しました。関係者によると、遺書が見つかり、自殺とみられています。

 兵庫県職員の約4割にあたる約4000人が加入している兵庫県職員労働組合の土取節夫・中央執行委員長は10日午前、片山副知事に対し、「告発をした職員を守ることができなかったのは痛恨の極み。現場の業務遂行には大きな支障が生じている状況であり、県政が停滞し、もはや県民の信頼回が望めない状況」だとして、知事に責任のある対応を求めました。

 一方、申し入れ書を受け取った片山副知事は、「重く受け止めたいと思う。職員の不安を是正するのは当局の務め。適正に対応したいと思う」と応じ、斎藤知事に対しては「出処進退を含むものであれば政治家としての知事が判断すべきものではないか」と語りました。

 土取委員長は9日、読売テレビの取材に対し「告発者が亡くなったのは痛恨の極みであり、県は告発者を守れない組織となっている。知事は記者会見を見ていても信頼は得られない発言をしており、知事のもとで職員が働く事は難しい。責任をとって辞職を求める」と話していました。

 「知事に責任ある対応を求める」とした申し入れについて、労組側は「事実上の辞職要求だ」との認識を示し、土取委員長は申し入れ後、記者団に対し、「県政を一新して、職員が安心して働ける職場づくりをしていただきたい」と語りました。

■企業から贈答品「おねだり体質 は有名」「職員は限界」

 問題のきっかけは、3月に西播磨県民局長だった男性職員が報道機関や兵庫県議などに送った「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について」というタイトルの告発文でした。

 告発文には「斎藤知事のおねだり体質は県庁内でも有名」「知事のパワハラは職員の限界を超え、あちこちから悲鳴が聞こえてくる」などと書かれ、知事が職員にパワハラをしていることや、地元企業から贈答品を受け取っていることなど、批判や疑惑が7項目にわたって指摘されていました。

 告発文を作成した男性職員は3月末で定年退職の予定でしたが、県は直前になって退職予定を取り消し、総務部付とする異例の人事を発令。内部調査の結果、「記載内容の核心的な部分が事実ではない」などとして、5月、男性職員を停職3か月の懲戒処分にしました。

 これに対し、複数の県議が「人事当局の調査はあくまで内部調査だ」と指摘し、議会が強い調査権を持つ百条委員会の設置を求め、6月13日、自民党などの賛成多数で百条委員会の設置が決まりました。

 告発した職員は、委員会の求めに応じ資料を提出するなど調査に前向きな姿勢を示す一方、百条委員会の奥谷委員長に対し「プライバシーに配慮して進めてほしい」とメッセージを送っていたことが明らかになっていました。関係者によりますと、職員の遺書が見つかっていて、自殺とみられています。
 
 男性が死亡後、斎藤知事は「突然のことで、私自身も大変いま混乱しているという状況にある。さまざまな批判、指摘はあると思うので、私自身も真摯に受け止めたいと思っています」と語りました。

■これまでの経緯

・2024年3月
元県民局長だった男性職員が斎藤知事のパワハラに関する告発文を一部の報道機関などに送付。斉藤知事は「うそ八百含めて、文書を作って流す行為は公務員失格」などと真っ向から否定。

・4月
産業労働部長が知事に同行した視察で県内の企業からコーヒーメーカーを受け取っていたことなどが判明。

・5月
県は内部調査の結果「核心的な部分が事実と異なる」などとして男性を停職3か月の懲戒処分。

・6月
一部の県議が「内部調査」は信用できないと反発し、議会が強い調査権を持つ百条委員会の設置が決定。

・7月
19日に証人尋問の予定だった男性職員が7日に死亡。関係者によると遺書が見つかる。

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