【現地は今】「不当拘束で韓国の司法は死んだ」捜査本部、尹大統領の逮捕状請求へ 激化する抗議活動
非常戒厳を巡り、内乱などの疑いで身柄を拘束されている韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領について、拘束期限を迎える17日、捜査本部は尹大統領の逮捕状を請求する方針です。現地から最新情報です。
(取材・報告=尾坂健太郎記者)
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尹大統領の身柄があるソウル拘置所前からお伝えします。
こちら抗議集会の最前列ですが、昨日16日にはなかったステージも設置され、抗議集会は激しさを増しています。参加されている方の人数も、見て取れるだけでも少なくとも昨日から2倍以上になっていることがわかります。今は拘置所に背を向けてステージの方に向かって抗議集会が行われていますが、時折、尹大統領が拘束されている拘置所の方に全員で向かって「尹大統領頑張れ!尹大統領頑張れ!」と声を上げているシーンもありました。
そして我々メディアに対する風当たりは非常に強く、参加されている方から私たちに対しても「ここから出ていけ」というような声をかけられました。抗議集会の最前列には、ユーチューバーによる配信が行われているスマートフォンが並んでいるという状況です。
そしてこちらにあります赤いトラックも、きょう17日に持ち込まれました。「国民とともに 大統領らしく 自信を持って」というメッセージが掲げられています。
こちらでの抗議集会は夜通し行われています。それに伴って炊き出しも行われていて、おでんや温かいお茶、肉まんといったものが振る舞われています。これらの活動資金も尹大統領を支持するユーチューバーを中心に集められているということです。
尹大統領を拘束できる期限が今夜9時頃に迫る中、捜査本部はそれまでに尹大統領の逮捕状を請求する方針で、準備はすでにほぼ終わったとしています。
きょう午前、ソウルの裁判所前を取材すると、韓国で葬式の際に贈られる花が並べられていました。これは「不当な拘束で、韓国の司法は死んだ」という皮肉が込められているということです。
裁判所が逮捕状の請求を認めれば、尹大統領は最長で18日間拘束され、取り調べを受けることになります。午後9時頃の期限まで、残りあと4時間ほどとなっています。