【ナゼ】和歌山で行方不明のドイツ人男子大学生は一体どこへ…パスポートがなぜ河川敷の多目的トイレに？不可解な“3つのナゾ”
観光で来日していたドイツ国籍の21歳の男子大学生が和歌山県内を観光した後、母親とやりとりしたのを最後に連絡がとれなくなってから、3週間以上が経過しました。パスポートなどの所持品が和歌山市の河川敷周辺から見つかり、警察が情報提供を呼びかけているものの、今も行方は分かっていません。その足取りを追跡すると、一般的な外国人旅行者とは異なる“不可解”な点が出てきました。
■「日本に旅行に行った後、学校が始まるのに帰国しない」
行方が分からなくなっているのは、ドイツ国籍の大学生・クラウディオ・ヴォルムさん（21）です。
警察によりますと、ヴォルムさんは9月21日に来日し、東京で観光後に和歌山県に入っていましたが、10月10日午前5時ごろ、母親とSNSでやりとりをしたのを最後に連絡がとれなくなりました。
10月16日、ヴォルムさんの知人男性から「ドイツに住む友人の息子が日本に旅行に行ったあと、学校が始まるのに帰国しない」などと警察に相談がありました。その後、パスポートや本人のものとみられる携帯電話が見つかったものの安否は分からず。警察は21日にヴォルムさんの写真を公開して広く情報提供を呼びかけましたが、今も行方不明のままです。
■不可解な点① 帰りの飛行機は予約せずに来日
ヴォルムさんは一人で来日し、和歌山県に来たのは9月30日。なぜ和歌山を訪れたかはわかっていません。
ヴォルムさんが滞在していた和歌山市内の民泊のオーナーによりますと、滞在期間は9月30日から10月10日までの11日間。やりとりは全てメールで行っていましたが異常な点などはなく、チェックアウト後の部屋は整然とし、滞在中に貸し出していたレンタル自転車も退出時には戻っていたということです。
ヴォルムさんが通っていた学校は、10月12日から始まる予定で、この日までには帰ると家族に伝えていましたが、警察によりますと、ドイツまでの帰りの飛行機を予約した記録はなかったということです。
■不可解な点② 民泊に長期滞在後の一晩を多目的トイレで過ごした？
ヴォルムさんが最後に確認されたのは、今月11日午後8時半ごろ。南海・和歌山市駅周辺の防犯カメラにヴォルムさんとみられる人物が映っていたといいます。
しかし、ヴォルムさんが滞在していた民泊のチェックアウトは10日の昼ごろ。ヴォルムさんは民泊側に「10日午後5時ごろまで滞在は可能か」と質問していたといいます。
防犯カメラに映る人物がヴォルムさんだったとすれば、10日夜はどこかで一夜を過ごしていたことになります。
警察によりますと、10月12日に和歌山市内の紀の川の河川敷にある多目的トイレで、「トイレ内に荷物一式が置かれている」と警察に申告があったといいます。トイレ内には、ヴォルムさんのパスポートや腕時計のほか、歯磨き粉や歯ブラシなどが整然と置かれていたということです。
ヴォルムさんは民泊を出た後、この多目的トイレで過ごしていた可能性がありますが、その理由は分かっていません。
■不可解な点③ パスポート・携帯電話はあったが…金品や着替え見つからず
ヴォルムさんのものと思われる携帯電話は、別の通行人が12日午後1時ごろに河川敷の多目的トイレのそばにある橋の歩道で拾って、交番に届け出ていました。
ただ、11日夜に防犯カメラに映ったヴォルムさんと思われる人物が背負っていたリュックサックや、財布などの金品は見つかっていません。
捜査関係者によりますと、外国人観光客であれば誰もが持つようなスーツケースやバックパッカーが背負うような大きなリュックサックなどはなく、残されていた衣服も半ズボンのみで、長期滞在者が持っているはずの着替えもなかったといいます。
旅行者にとって必需品のパスポートと携帯電話は多目的トイレ周辺で発見されているのに、金品や着替えなどがないのはなぜか、その理由は判然としません。
■詳細な足取りは分からず…情報提供を呼びかけ
ヴォルムさんは事件や事故に巻き込まれたのか、自ら消息を絶ったのか、それともどこかで滞在を続けているのか―。
詳細な足取りも、不可解な行動の理由も分からないまま3週間以上が経過し、警察はヴォルムさんの目撃情報など、広く情報提供を呼びかけています。
◇情報提供先◇
和歌山県警本部 生活安全部人身安全対策課 073-423-0110
和歌山西警察署 073-424-0110
◇クラウディオさんの特徴◇
国籍:ドイツ連邦共和国
氏名:CLAUDIO WORM（クラウディオ・ヴォルム）
年齢:21歳
身長:約172センチメートル
体格:中肉、金髪
行方不明時の服装など:黒色様のリュックサック、白っぽいズボン、黒の長袖シャツ、白っぽいスニーカー
