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【独自解説】与党“大敗”は岸田政権時代のせい?自民党執行部の腹の内 “政界の119番”がピンチヒッター登板か…今後起こり得る想定内・想定外と政治家が言いづらいウラ話

2024年11月2日 12:00
【独自解説】与党“大敗”は岸田政権時代のせい?自民党執行部の腹の内 “政界の119番”がピンチヒッター登板か…今後起こり得る想定内・想定外と政治家が言いづらいウラ話
与党“大敗”の責任は誰が―

 2024年10月27日に行われた衆議院選挙で、与党は“大敗”とも言える結果に。責任は一体誰に?もし石破氏が辞めたら?政治家が言いづらい“内緒話”を、『読売テレビ』高岡達之特別解説委員が解説します。

■「一番若手に責任を取らせるのか」の声も…小泉氏一人の辞任で“火消し”?

 今回の選挙は、裏金だけで投票されたかというと、そうでもないと思います。「物価高のほうが先だった」、あるいは「学校や子育ての支援のほうが先だった」と言う方もいます。「では、そっちを先にやって、政治改革を後に回します」と言うと、これもまた大変なことになります。

 大切なのは『順番』です。一番負けてしまった与党、特に自民党側は、ある意味“火消し”をしなければいけません。「責任者の特定」から始めないとダメです。

 「責任を取る」とは言いますが、責任者といわれる党の執行部の方々は皆さん、「いやいや、もう一人の問題ではないんです。これは執行部で決めました」と言います。しかし、それでは落選した方などの不満は収まらないわけです。そうなると、今回の選挙で表に出た責任者は3人。石破茂さん・“選挙を仕切る”といわれる幹事長の森山裕さん・選対委員長の小泉進次郎さんです。

 まず、小泉さんが辞表を出しました。ただ、気になるのは、「選挙の全ての責任」とおっしゃったことです。確かに選対委員長は選挙で走り回りますが、私もしくは東京の自民党の人たちの解釈は、“全ての責任”はどちらかというと、あとの2人です。

 私の“永田町雀”からは、「一番若手に、先に責任を取らせるのか」「2025年には参議院選挙があって、小泉さんが応援演説に来てくれたら、それなりに力がある。その“一番来てほしい人”から辞めさせるのか」という声があります。

 ただ、小泉さんは一番辞表を“出しやすい人”です。まだこのご年齢・ご経験で、「次がまだまだあるんだから、早めに責任を取って、この政局から抜けとけよ」というようなアドバイスも、ひょっとしたら、あったかもしれません。

 あとの2人は、早々と続投です。「微力を尽くしたい」など言い方はいろいろありますが、「残る」との意向を示されています。

 これはご本人たちが言ったわけではなく、「ご本人たちはそう思っているだろう」というふうに言う議員さんの話ですが、「今回の敗因は、いわゆる裏金問題もそうですけど、『全部、岸田時代のことではないか』『岸田さんがビシッと処分しておいてくれたら、こんなことやらなくて良かったんだ』という思いが、腹の中にあるのではないか」と分析する人もいます。

 また、なかなか自民党の中でも具体的な声は上がっていませんが、「石破降ろしより、むしろ森山降ろしではないか」と、ブスブスとマグマが吹き出しています。

 というのも、森山さんは風貌から見てベテランで大変温和な方で、ずっと選挙対策委員長として全国を回って、全ての小選挙区の人たちの調整をしてきたからです。森山さんは、岸田さんに対して「早く解散してくれ」と言っていたようですが、「してくれなかった」と周囲に漏らしていたといいます。

■強く生き残り、帰ってきた重鎮たち…今後注目なのは岸田氏の動向か

 「世代交代を」と言われながらも、重鎮たちはしぶとく強く生き残って、帰ってきました。

 最年長の“派閥の長”麻生太郎さんは、「選挙カーの梯子を駆け上がる」というふうに言われて、悠々と20時に一発当確です。茂木敏充さんも、菅義偉さんも帰ってきました。体調が心配と言われながら、早々に当確です。この人たちが、また発言力を持って帰ってきました。重鎮は、やはり強いです。

 そんな中、私が「この人の行動に今注目が集まっている」と指摘したいのは、岸田文雄さんです。岸田さんも早々と当確して戻ってきましたが、先ほどお話ししたように「いや、“岸田さんの時”の話でしょ」ということです。麻生さんは岸田さんを大変評価していて、「賃金を上げる流れも作ったではないか」というふうにも言われていますが、岸田さんが今後どうするかに注目が集まっています。

■もし石破氏が「辞める」と言ったら?“次”に期待されるのは、あの人だが…

 ここからは、「想定外が起こるかもしれない」という話をします。石破さんから「私が責任を取る」という一言は、少なくとも2024年10月28日午後5時12分現在、ありません。ですが、長いことニュースをやっていると、わからないんです。1時間後に、「やっぱり私は辞める」と言っているかもしれません。そうなったら、これはもう大変なことになるわけですが、永田町の理屈があろうがなかろうが、次を決めなければいけません。

 やはり期待されるのは、高市早苗さんです。今回も、逆風の方ばかり130人の応援演説依頼を受けて、「落ちようが当選しようが、私はちゃんと義理を果たします」という姿勢を示されました。しかし私は、いきなりの“登板”は周りの方々も進言しないと思います。

 高市さんご本人の意見を紹介しているわけでも、ご本人に確認を取っているわけでもないので、“そういう周りの声がある”ということでお話ししていきますが、高市さんはしばらく「責めない・動かない・発言しない」を貫くのではないかということです。

 “責めない”というのは、「石破さんがどうだ」「森山さんがどうだ」ということを言わないということです。そのために、130か所、全国を回りました。「自分は無役だけど、自民党のいずれかの時期に、また“顔”に戻る。だから、自民党が大変な時に、それなりに力を尽くします」ということです。

 そして“動かない”、ニュースになるような“発言をしない”。そうした中で、地道に仲間作りをされるんだろうと思います。

 そして、共同インタビューでも「国家経営をいつかやりたい」ということを言っていましたが、絶対にピンチヒッターは望んでいないと思います。首相になるんだったら、長期政権でしょう。すると、ここからどんどん想定外に入っていきます。

■次なるピンチヒッターは「政界の119番」 “絶妙の4番手”本領発揮か

 選挙の前から、「もしダメになったら、この人のほうが高市さんより先にピンチヒッターをやるのでは」といわれていた人が、一人います。それが、林芳正さんです。

 なんと、誕生日が1月19日。ご自身で「私は政界の119番です」と言っている人が、本当に1月19日生まれです。林さんは、歴代の内閣が「大変!」「不祥事!」「大臣が足りない!」という状況になると、必ず呼ばれてきました。

 私が言っているのではなく、永田町の人で言う人がいるんですが、林さんは「絶妙の4番手」だと。総裁選では上から石破さん・高市さん・小泉さんでしたが、皆さん今はそれぞれ事情があります。4番手ということは、議員や地方の支持もそれなりにあって、やはり手堅く、今回“不記載の話”も関係がないといわれています。また、官房長官ですから、むしろ日本の政府そのものをずっと守っていました。

■“もしトラ”なら「石破さんで大丈夫か?」との声が…1年を切った参院選前に、何かが起きる?

 しかし、そうも言っていられません。再び大荒れになりそうなのが、11月の前半。11月5日になると、トランプさんなら再び・ハリスさんなら女性初のアメリカ大統領が決まるからです。

 支持率は今、せめぎ合っています。問題は、トランプさんがもう一度返り咲いた時です。「石破さんで大丈夫か?」という声が出ます。

 トランプさんは、安倍元首相と交渉していた時もそうでしたが、強いリーダーとしか話しません。「いろんなやり取りをしないと政権を維持できないような人と、前向きの話をしてくれるだろうか?」となりますから、すぐに石破降ろしが起きるわけではないでしょうが、また想定外のことが進んでいくと思われます。

 実は今、永田町は「参議院選挙前」の感覚です。あと1年あるので、我々からすると時間があるように思いますが、政治家からすると「時間がない」です。いろんな想定内・想定外の一番のピークは、4月の予算成立直後。何かが起きるでしょうか―。

(「かんさい情報ネットten.」2024年10月28日放送)

最終更新日:2024年11月2日 12:00
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