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【速報】「長かった…この判決は娘が導いた」障害もつ死亡女児の逸失利益『全労働者と同じ』判決確定 遺族が涙ながらに訴え「差別的な発言をされて、許せる親はいるのか…相手側に謝罪求める」

2025年2月5日 15:31
【速報】「長かった…この判決は娘が導いた」障害もつ死亡女児の逸失利益『全労働者と同じ』判決確定 遺族が涙ながらに訴え「差別的な発言をされて、許せる親はいるのか…相手側に謝罪求める」

 7年前、小学5年生の女の子が重機にひかれて死亡し、両親が運転手らに損害賠償を求めている裁判の控訴審で、大阪高裁が聴覚障害があった女の子の将来得られるはずだった収入=「逸失利益」を全労働者と同じ100%で計算して賠償金を支払うよう命じた判決について、4日の上告期限までに、被告側が上告せず、判決が確定したことを受け、女の子の父親らが5日、大阪市内で会見を行いました。

 父親は、「5日の7年前というのは、告別式でした。娘がちょうど天国へ行った日です。きょう判決が確定したと聞き、偶然じゃなく、これは娘が導いたと私は確信しています」と語りました

 判決が確定したことについて「長かった。一言でいうと、やっと終えた」と率直な思いを語り、「私は絶対に100パーセント勝ち取ってやると娘に約束しました。自分の大切な我が子を殺され、(裁判で)差別的な発言をされて、許せる親はいるのか。相手側に、謝罪を求めています」と涙を流しながら訴えました。

■逸失利益めぐり一審は「全労働者の85%」から一転…高裁「全労働者の平均賃金で計算するのが相当」

 2018年2月、大阪市生野区で井出安優香さん(当時11歳・小学5年生)は聴覚支援学校からの下校途中、暴走した重機にはねられ死亡しました。

 両親が損害賠償を求める民事裁判で、争点となったのは安優香さんの「逸失利益」についてです。

 一審の大阪地裁は2023年、「死亡時の聴覚障害者の収入は全労働者の平均と同程度であったとはいえない」と指摘し、「全労働者の平均年収の85%で計算すべき」とする判決を言い渡しました。

 両親は障害を理由に減額されるのは不当だと訴え控訴。1月20日に行われた控訴審の判決で、大阪高裁は「安優香さんは補聴器に加え手話や文字も駆使して学年相応の知識や学力があり、将来は健聴者と同じ職場で働くことができたと蓋然性を持って予測できた」と判断した上で、「全労働者の平均賃金で計算するのが相当で、何ら減額する理由はない」として、一審判決を変更し、両親の訴えを全面的に認める判決を言い渡しましていました。

 弁護団によりますと、聴覚障害のある人の逸失利益を健常者と同等に計算すべきとの司法判断が示されるのは全国で初めてだということです。

最終更新日:2025年2月5日 17:16
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