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【速報】「岸田前首相が来ていることも知らなかった」 岸田前首相襲撃・木村隆二被告の初公判で弁護側が主張 被告は殺意など否認「選挙ということを知りませんでした」 刃物の所持や火薬の製造については認める

2025年2月4日 11:54
【速報】「岸田前首相が来ていることも知らなかった」 岸田前首相襲撃・木村隆二被告の初公判で弁護側が主張 被告は殺意など否認「選挙ということを知りませんでした」 刃物の所持や火薬の製造については認める
木村隆二被告

 岸田前首相の演説前に爆発物を投げ込み、殺人未遂などの罪に問われている男の裁判員裁判が4日、和歌山地裁で始まり、男は「殺意はありません」と起訴内容を一部否認し、弁護側は「岸田前首相が来ていることも知らなかった」などと主張しました。

■“黙秘”続けた被告は短髪に黒のジャケット姿で法廷に…被告「殺意はありません」

 木村隆二被告(25)は2023年4月、和歌山市の漁港で、演説前の岸田前首相の近くに自作の爆発物を投げ込み、聴衆と警察官の2人にケガをさせた殺人未遂や公職選挙法違反など5つの罪に問われています。

 警察の調べに対し、黙秘を続けたという木村被告。法廷で何を語るのかが注目される中、法廷に姿を見せた木村隆二被告は、髪は短髪となり、黒のジャケットを着用。弁護団と小声で会話をした後、裁判が始まりました。

 裁判長から罪状認否を問われると、木村被告は「間違っているところもあります」と述べ、爆発物について「人を害する目的ではないです」「殺意はありません」と殺意を否認。弁護側は傷害罪にとどまると主張しました。

 また、公職選挙法違反について、木村被告は「選挙ということを知りませんでした」と否認し、弁護側も「和歌山で補欠選挙をしているとは知らず岸田前首相が来ていることも知らなかった」と主張しました。

■岸田氏が視察の万博会場にも…「自民党 遊説 警備」などの履歴も

 一方、検察側は冒頭陳述で、木村被告が事件の2年ほど前から政治問題や選挙制度について、携帯電話で検索をしていたことを指摘。木村被告は「2022年の参議院選挙に立候補しようとしたが、年齢を満たさないなどとして立候補できず精神的苦痛を受けた」などと選挙制度への不満を訴え国を相手取り民事裁判を起こしていました。

 この民事裁判では、一審・二審ともに木村被告の訴えが退けられ、判決は確定しています。

 さらに「事件の2日前、岸田前首相が万博起工式に出席するため訪れていた大阪・夢洲付近に、木村被告も同日訪れていた」と指摘した上で、事件前日には「自民党本部 警備」「内乱罪」などと検索した履歴や、事件当日に和歌山市の雑賀崎漁港を訪れる岸田前首相の遊説日程が公表された自民党ホームページを閲覧した履歴、そして事件当日にも漁港への経路や「自民党 遊説 警備」などと検索した履歴が残っていたと明かしました。

■検察「現職総理を狙ったテロ行為」と指摘 弁護側「世間の注目を集める目的も、事前に殺傷する威力感じず」

 事件当日までの経緯を説明した上で、検察側は「木村被告は爆発物の使用によって人が死ぬ可能性が高い行為であり、そのような結果が生じても構わないと思っていた」とし、「現職総理大臣を狙い、周囲の人を無差別に巻き込んで攻撃対象としたテロ行為であり、民主主義の根幹を揺るがす犯行だ。また、計画的な犯行であり、動機が身勝手かつ短絡的だ」などと指摘しました。

 これに対し、弁護側は「事実関係については争わず、目の前の若者(木村被告)が大量殺人を目論んで岸田首相を殺害しようと考えた凶悪なテロリスト』かどうかについて、別の解釈も成り立つということを表していく」とした上で、「選挙制度に不満を持っていたことを背景に、有名な政治家がいるところで世間の注目を集める目的で犯行に及んだ」と主張。

 その上で、「木村被告は事件前に山林で爆発物を実際に爆発させていて、爆発することや音などを確認したが、人を殺傷する威力を感じていなかった」と述べました。

 裁判は5日間行われる予定で、判決は2月19日に言い渡されます。

最終更新日:2025年2月4日 13:57
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