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【速報】交際相手の4歳娘に暴行し死なせた罪「自己中心的かつ短絡的」無罪主張の男に懲役8年求刑  奈良地裁

2025年3月10日 10:33
【速報】交際相手の4歳娘に暴行し死なせた罪「自己中心的かつ短絡的」無罪主張の男に懲役8年求刑  奈良地裁
山下翔也被告(Facebookより)

 2023年、奈良県橿原市で交際相手の4歳の娘に対し、何らかの方法で腹部に暴行を加え死亡させた罪などに問われている男の裁判員裁判で、検察は10日「暴行はしていない」と主張する男に対し、懲役8年を求刑しました。

 大阪府門真市の建設作業員・山下翔也被告(28)は、2023年6月、奈良県橿原市に住む交際相手の娘の田川星華ちゃん(当時4)の腹部を何らかの方法で圧迫するなどの暴行を加え死亡させた罪のほか、その約1か月前にも星華ちゃんに暴行を加え、全治約2週間のけがを負わせた罪にも問われています。

 2月の初公判で山下被告は、「いま言われたような暴行はしていません」と無罪を主張し、代理人も「傷害はもっと前に生じていた可能性があり、(交際相手である)母親が暴行した可能性も排除できない。内臓にできた傷は、疾病によってできた可能性もある」として、全面的に争う姿勢を示しました。

 一方、検察側は冒頭陳述で、「母親と交際を開始して以降、星華ちゃんを厳しく叱るようになった。犯行前に『内臓破裂どのくらいの衝撃』とインターネットで検索していた」などと指摘。医者の診断結果などから、星華ちゃんが死亡する数日前に、腹部に何らかの圧力を加える暴行を行ったと主張しています。

 検察側は10日の裁判で、「言うことを聞かない被害者に対して暴行を加えるという自己中心的かつ短絡的な犯行」「幼年の被害者に対して、複数回にわたり強い暴行を加えたことに、真摯な反省も謝罪もなく強い非難に値する」と述べ、懲役8年を求刑しました。

 これに対し弁護側は、星華ちゃんに生じたそれぞれの傷害について「被告には犯行の機会がなかった」と主張し、母親の供述が変遷していることなどに触れ「(山下被告が)犯罪を行ったとするには疑問が残る」と改めて無罪を主張しました。

 また山下被告は、最後に言いたいことについて問われると、「僕はこの裁判で言われているような暴行はしておりません」とだけ述べました。

■事件1か月前に児相に通報も…聞き取り行われず「虐待なし」と判断

 事件をめぐっては、奈良県の児童相談所と橿原市が事件の1か月前に山下被告による星華ちゃんへの虐待を疑う通報を受けていたにもかかわらず、山下被告に聞き取りを行わないまま「虐待はない」と判断していたことが明らかになっています。

 さらに、児童相談所に常駐する警察官もこの通報について事件前に会議で知らされていましたが、上司らには報告せず警察組織内で情報が共有されていなかったこともわかりました。

 事件を受け、奈良県と橿原市は弁護士などで構成する検証チームを設置。「虐待の通告を受けた後、原則48時間以内に直接子どもの安全確認などを行わなければならないが、守れていなかった」「経験が少ない職員しかおらず不十分な対応となっていた」などと指摘した報告書をとりまとめ、県は児童相談所の職員を増員するなどの対応策をとっています。

最終更新日:2025年3月10日 12:01
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