「1200万円つぎ込んだ」違法オンラインカジノ利用者急増 闇バイトの入り口にも 依存症の実態
いま違法なオンラインカジノの利用者が急増し、ギャンブル依存症が深刻な問題となっています。闇バイトの入り口になっているとの指摘も。
店に設置されたパソコンを使い、カジノゲームに金を賭けて遊ぶ違法なインターネットカジノ店。
先週、大阪市内の5店舗が一斉摘発され、店の幹部など41人が逮捕されました。
こうした店舗型の違法ネットカジノに加え、いま問題が深刻化しているのが、店に行かずともスマートフォンでできるオンラインカジノです。日本ではすべて「違法」です。
こうすけさん(仮名)
「(オンラインゲームは)ゲーム性がパチンコよりも高かった。いつでもできるというところ。30秒に1回くらいのペースで結果が出て、1~2時間で4000ドル勝ったり。その逆もしかりという感じですね」
神戸市に住む会社員のこうすけさん(仮名)(36)。6年ほど前からオンラインカジノにはまりました。
こうすけさん(仮名)
「オンラインカジノに手をつけてからギャンブルにつぎ込む金額は膨れ上がって、最終的に1200万円くらいつぎこんでしまった」
「これが自己破産したときの免責許可の通知書です」
自己破産したこうすけさん。しかし、その後もやめられず、借金を繰り返していました。現在は自助グループの支援などもあり、ギャンブルをやめています。
こうすけさん(仮名)の妻
「また(ギャンブルを)やる時は来るだろうという覚悟は持っているので、その時も、やったらやったで、家族でまた相談して、どのように対応していくか、一つずつやっていくしかない」
いま、オンラインカジノの国内でのプレイヤー数は少なくとも100万人を超えるとされるなか、ギャンブル依存症の支援団体に寄せられた相談件数は5年間で約12倍に急増しています。
ギャンブル依存症問題を考える会・田中紀子 代表
「スマホ1台でギャンブルができる時代に、コロナ渦以降、特にそれが一気に広まってしまったんですね。24時間365日寝るまでずっと枕元に置いてギャンブルができるみたいな。そういうギャンブル環境が整ってしまった」
さらに闇バイトの入り口になっているとの指摘も。団体のアンケートではギャンブル依存症の人のうち、約3分の1が「闇バイトや横領などの犯罪行為をした」と回答しました。
こうすけさん(仮名)
「本当に何回も(借金を)繰り返していくと、そういうところ(闇バイト)にも手を出していただろうな、というのが自分自身でも分かるぐらい、怖い病気。ギャンブルをするためのお金欲しさに、手段を選ばないというのは分かる」
1度はまると抜け出すことが難しいギャンブル依存症。団体の代表は、オンラインカジノのサイトにアクセスできないようにするなどの規制強化が必要だと訴えています。