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災害時の『トイレ問題』解決へ 大阪で「震災対策技術展」 排せつ物固める製品や紙製の仮設トイレも

2024年7月4日 18:51
災害時の『トイレ問題』解決へ 大阪で「震災対策技術展」 排せつ物固める製品や紙製の仮設トイレも

 巨大地震など自然災害に備えるための最新の技術や製品を紹介する展示会が、4日から大阪で始まりました。

 「激しい揺れです。段ボールがどんどん落ちてきます」

 阪神淡路大震災をきっかけに、毎年開かれている「震災対策技術展」。今年は79の企業や団体が参加しています。

 能登半島地震を受けて、特に展示数を増やしたのが、災害時の「トイレ問題」に関する最新技術です。

 こちらは、タブレット状の処理剤で排せつ物を固める製品。特殊な技術で臭いを効率的に吸収できるといいます。

 瀬川裕大 記者
「こちらの処理剤に水を入れると、処理剤が水をみるみる吸収していきます。わずか10秒ほどですっかり固まりました。ひっくり返してもこぼれません」

 能登半島地震では、最大で約11万戸で断水したほか、9割の避難所が仮設トイレを設置するまでに4日以上かかり、排せつ物の処理が大きな問題になりました。

 NPO法人日本トイレ研究所 加藤篤 代表理事
「実際に能登半島地震では、ノロウイルスを含む消化器感染症も確認されていますので、集団感染のリスクが高まるということと、災害関連死のトリガーを引いてしまうということが、トイレが原因で起きている」

 また展示会では、避難所などでの使用を想定したこんな製品も…。

 瀬川記者
「こちらのトイレ、実はほとんどが紙でできています。非常に丈夫なつくりで、耐水性も抜群です」

 一般的な仮設トイレの半分ほどの重さだという、このトイレ。女性2人でも約20分で簡単に組み立てられます。

 水を使わずに、約1600回分の排せつに対応できるということです。

 カワハラ技研 企画開発部 小野奈々子 部長
「備蓄しておいてもらえれば、すぐにトイレが困った時に持ち出して組み立てられるというのは、とても大きな要素だと思うんですね」

 災害時、すべての人が必ず当事者となるトイレの問題。水や食料に比べて見落とされがちですが、いざという時の備えが必要です。

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