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優勝パレード“補助金還流”疑惑で市民団体の刑事告発を兵庫県警が「受理」斎藤知事らの背任の疑い

2025年1月22日 6:00
優勝パレード“補助金還流”疑惑で市民団体の刑事告発を兵庫県警が「受理」斎藤知事らの背任の疑い

 兵庫県の元県民局長が斎藤元彦知事の疑惑を告発した文書に記載されていた、阪神・オリックスの優勝パレードをめぐる補助金の“還流疑惑”について、斎藤知事らに背任の疑いがあるとして出されていた刑事告発を、兵庫県警が受理したことが分かりました。

 告発状を提出していたのは「市民オンブズ西宮」などの市民団体で、2023年11月、県内の金融機関への補助金を1億円から4億円に増額する見返りに、阪神・オリックスの優勝パレードへの寄付を求め、本来は不要である予算を増額したことで県に損害を与えたとして、斎藤知事と片山元副知事に背任の疑いがあるとしています。
 市民団体は去年10月に告発し、21日付けで県警に受理されたということです。

■寄付が集まらない中で金融機関への補助金が4倍に…知事らは疑惑を否定

 2023年の阪神・オリックス優勝パレードの運営費は約5億円で、県は当初、全額を「寄付」で賄うとしていたものの、開催の2週間前までに総額の1割程度しか集まらず、その後の約2週間で4億円あまりの寄付が集まったことが判明しています。

 百条委員会の証言などによれば、コロナ禍での県内の中小企業の支援を目的に無利子・無担保で貸しつけを行うよう金融機関に対して支払われる補助金について、当初、各金融機関が抱える融資先のうち「これまで支援されてこなかった企業の数」のみを計算し、総額1億円の予算が提案され、斎藤知事が一旦、承諾したとされています。

 しかしその後、片山副知事(当時)が「すでに支援した企業」についてもカウントの対象に入れるなどの変更を指示。企業数は1000社から4000社へと約4倍に増え、金融機関への補助金の総額は4億円に跳ね上がりました。片山氏が増額の指示を出した翌日以降、県内にある11の信用金庫が続々とパレードの開催資金を寄付しています。

 死亡した元県民局長の告発文書では、補助金を増額する代わりに、パレードの開催資金を金融機関に寄付をさせたのではないか、と指摘していますが、これに対し、斎藤知事と片山氏はこれまでの百条委員会の証人尋問などで、「そういったこと(還流)はありません」などと疑惑を否定しています。

最終更新日:2025年1月22日 6:00
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