「還付金詐欺」全国ワースト13億円…大阪府が全国初「高齢者のATMでの携帯電話使用禁止」義務化へ
昨今、被害が非常に大きくなっている特殊詐欺被害。実は大阪では、一日平均1500万円の被害額が出ているんです。
5日、その大阪府で被害を防止するためのある対策が取りまとめられました。成立すれば全国で初となるこの試み、うまくいくんでしょうか。
(大阪府警HPより)
「大変です!オバ長!また還付金詐欺です!」
「なに!?パンプキン詐欺?」
「いや、“かんぷきん”!」
「お金が返ってくると言って、ATМに振り込みさせる手口ですな」
「もうけ話が好きなおばちゃんの弱点を見事についてきたな~」
大阪の高齢アイドルグループ「オバチャーン」が啓発するのは、被害が止まらない特殊詐欺の防止です。
大阪府内では今年、9月末時点の被害総額が約43億円と、去年1年間の約36億円をすでに超えていて、中でも「還付金詐欺」は全国ワーストの13億円に上ります。
そんな中、5日開かれた大阪府の会議で“全国初”の試みとなる、ある対策案が取りまとめられました。
そのカギは警察が公開した、実際の犯人と被害者のやりとりの音声にありました。
被害者
「もしもし」
犯人
「あ、もしもし」
被害者
「はい」
犯人
「×××銀行サポートコールセンターです。あの誰かと一緒にいらっしゃいますかね、今」
被害者
「いや、私一人です」
犯人
「誰かとお話されてなかったですか、今」
被害者
「いいや、してない」
犯人
「あー…なんかその個人情報とかの取り扱いになるので、他の方にはその画面とか見られないように気をつけてくださいね。そしたらまず本人確認からとるので、機械の画面を見ていただいて…」
被害者
「はい」
犯人
「本人確認というボタンを押してください」
被害者
「本人確認どこかな」
犯人
「なければ残高照会のボタンです」
警察によりますと、このように還付金詐欺では、被害者がATМの前で携帯電話を通じて、犯人から指示を受け、だまされて金を振り込んでしまう手口が非常に多いのです。
そこで大阪府は、被害が多い65歳以上の高齢者にATMの前では携帯電話の使用を禁止すると義務づけるほか、ATMの事業者に対しては、高齢者が携帯電話を使いながら操作しないための措置を講じることを義務付ける方針です。
5日取りまとめた素案を元に、来年2月に始まる府議会に条例改正案を提出する見通しです。
成立すれば全国で初めてとなるこの試み。果たして効果は出るのでしょうか。