「温泉総選挙」発表 念願の1位は? 群馬県の温泉地に密着
これからの季節、温泉で温まりたいなと思う方も多いと思います。5日、温泉の人気ランキング「温泉総選挙」が発表されました。「news every.」は、発表を待つ群馬県の“ある温泉地”に密着しました。
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身も心も癒やしてくれ、日本の文化ともいえる温泉。その温泉について5日朝、キャベツが名産の群馬県嬬恋村の観光協会が待ち望んでいたのが、全国1位の温泉地などを決める「温泉総選挙」です。
嬬恋村観光協会 坂田眞央さん
「今年こそ1位をとりたいという気持ちでいっぱいです」
今年で9年目の「温泉総選挙」。温泉地の活性化を図る目的で、歴史や健康などをテーマに、自治体や観光協会が8つの部門にエントリー。環境省など国が後押しをして、一般の人の投票でランキングが決まります。
嬬恋村からは…
嬬恋村観光協会 坂田眞央さん
「秘湯/名湯部門です。万座温泉です」
標高1800メートル付近にある秘湯「万座温泉」がエントリー。参加は今年で8回目。これまで1位を獲得したことはないといいます。
そして午前10時、発表の瞬間。
嬬恋村観光協会 坂田眞央さん
「とりました! 1位です!」
──万座温泉1位ですか?
嬬恋村観光協会 坂田眞央さん
「1位です! やっととれました」
「秘湯/名湯部門」で「万座温泉」が、念願の1位を獲得しました。喜びの声は万座高原ホテルからも…。
ホテルスタッフ
「すごい! 1位」
「おめでとう」
従業員みんなで、喜びを分かち合います。
宿泊客からも…
宮城県から(50代)
「すごい! そういうところに入れてうれしい。なんかつるつるになったかな」
その温泉が、家族やカップルで入れる混浴の露天風呂。白濁の硫黄泉でこれから寒くなる季節、体の芯から温まれるといいます。
神奈川から5回目
「とにかくここのお風呂が好き」
東京から(30代)
「景色もいいし、硫黄の成分を体にあびながら、気持ちがいいだろうなって。きのう夜、入ったんですけど、満天の星みながらお風呂入れたんですね。それがまさにザ・秘湯って感じがしました」
嬬恋村がなぜ1位を目指したのか。その理由が…
嬬恋村観光協会 坂田眞央さん
「隣が草津町ですとか、長野の軽井沢が近い」
実は万座温泉のある嬬恋村は、草津温泉や軽井沢などの観光名所にはさまれているため、これまで観光客が素通りしてしまうことが多かったといいます。
嬬恋村観光協会 坂田眞央さん
「これがきっかけとなって、嬬恋はキャベツだけじゃなくて、さらに温泉もいいんだよって、たくさんの方に知っていただけるように」
自治体が期待を寄せる「温泉総選挙」。温泉の専門家は、万座温泉のような「秘湯」が、今年の温泉のトレンドになっていると話します。
温泉の専門家 北出恭子さん
「最近はインバウンド(外国人観光客)もたくさん日本に来ていますし、混雑をさけて自然のなかでゆっくり静かに過ごしたいというニーズには、秘湯や名湯がとても適しているのではないか」
また、8部門のなかで得票数が高かったというのが「絶景部門」です。1位に選ばれたのは広島県の「きのえ温泉」。夕日に照らされる瀬戸内海の島々をながめながら、温泉に入れるといいます。
また、コロナ禍以降の健康志向の高まりの影響か、今年、新たに「湯治ウェルネス部門」ができました。1位に輝いたのは鹿児島の指宿砂むし温泉。砂のなかに体をうめて入浴する珍しい温泉地で、外国人にも好評だといいます。
1位になったところもあれば、東京・あきる野市にある秋川渓谷では…
秋川渓谷・瀬音の湯 渡邉智宣総支配人
「今回は昨年に引き続き2位でしたね。今年こそはという気持ちは強かったんですけど、相手も強し、みたいな結果でしたね」
20以上の温泉地がエントリーした、激戦の「美肌部門」で惜しくも2位に。それでも…
秋川渓谷 瀬音の湯 渡邉智宣総支配人
「これだけ上位に食い込むような温泉を出しているところが東京にあるんだよってところも、ぜひ知ってもらいたいな」
専門家は、後継者不足を抱える温泉地もあるため、温泉総選挙が集客のきっかけになればと話しています。