【速報】「よそもの扱いなど差別」京都の少年野球チームが小学校グラウンド使用禁止され市教委など提訴 市は「地域団体ではなくなった」と主張
2022年、京都市内の小学校を本拠地とする少年野球チームが、地域の少年野球チームで作る振興会を脱退したところ、小学校のグラウンドが使えなくなりました。
当時のチーム関係者らは「よそ者扱いされるなど差別を受け精神的苦痛を味わった」などとして、小学校の施設管理委員会と京都市教育委員会に対し損害賠償を求める訴えを起こしました。
21日、京都地裁に訴えを起こしたのは、京都市上京区にある少年野球チーム「北野クラブ仁和ホワイトホース」です。
主に市立仁和小学校に通う児童たちで作られるチームで、これまで仁和小学校のグラウンドで練習を行ってきましたが、人数不足などに伴って他の小学校の児童も募集しようとしていました。
また、仁和ホワイトホースは、上京区内の少年野球チームで構成される振興会に所属していましたが、その振興会に所属していると外部の野球大会には出場できません。そこで外部の大会に出場するために振興会から脱退したということです。
すると2022年7月に、小学校の施設管理運営委員会などからチームのグラウンド使用を禁じられ、2022年10月以降グラウンドを使用することができなくなりました。
そこで、2024年6月に、以前会費の高さを理由に脱退した市のスポーツ少年団に再加盟したところ、グラウンドを再び使用できるようになったということです。
■原告の主張
仁和ホワイトホース側は、グラウンドの使用を禁止するに至った一連の決定に合理的理由はなく、差別的な取り扱いだと主張。
近隣の有料グラウンドを使用するなどの対応を取らざるを得ず、財産的・身体的な負担を負うことになっただけではなく、学校の施設を利用する権利を侵害される差別的扱いを受け、精神的苦痛を味わったとして、165万円の損害賠償を請求しています。
実際、当時のメンバーたちはグラウンドを使用できないまま卒団することになり、コーチの一人は、「今まで使っていた学校で卒団式をさせてもらい記念写真を撮るということも叶わなかった」と話しています。
一方、施設の運営委員会を管理する市の教育委員会は、取材に対し、2022年度には地元のスポーツ少年団からも会費の高さを理由に脱退していることに加え振興会にも所属しなくなったことから「地域の団体ではなくなった」と判断したと話します。
さらに、仁和ホワイトホースが、仁和小学校以外の生徒の募集も行おうとしたことから「クラブチーム化し競技性が重視されていて、公益性という観点でそぐわなくなった」ため、グラウンドを使用させることはできなくなったと主張しています。
グラウンドの無償貸し出しは、地域の人の健康の保持増進やスポーツ活性化を目的に行う側面もあることから、こうした趣旨とチームの方針が合わなくなったと説明しています。
提訴後、京都市教育委員会は読売テレビの取材に「訴状が届いておらず詳細がわからないためコメントは差し控えさせていただきます」と回答しました。