「マイナ保険証」利用は20.9%……12月2日からどうなる? 病院で読めない、スマホない場合の使い方【#みんなのギモン】
そこで今回の#みんなのギモンでは、「12月から『保険証』何が変わる?」をテーマに解説します。
猪子華・日本テレビ社会部記者
「12月2日に現行の健康保険証が発行されなくなるまで、2週間を切りました。今の保険証は使えなくなるのか、マイナ保険証はどうやって使うのか、詳しくお伝えします」
「今の保険証は12月2日から新たな発行が停止され、マイナンバーカードを健康保険証として利用するマイナ保険証を使う仕組みに変わります」
「新たな発行は停止されますが猶予期間があり、会社員などが持っている保険証の場合は来年の12月1日までの1年間は今までと変わらず使えます。国民健康保険や後期高齢者医療制度の場合は、保険証に書かれている有効期限までの間、最長1年間は使えます」
「ただ、引っ越しで住所が変わったり、転職で健康保険組合が変わると今の保険証は失効してしまうので、その時点で使えなくなります」
猪子記者
「皆さん、既にマイナ保険証を使っていますか?」
桐谷美玲キャスター
「私はまだ使ってはいないんですけど、小児科などに行くと(マイナ保険証を読み込む)リーダーは見ますね」
森圭介アナウンサー
「私はまだブルーの健康保険証を使っています。マイナ保険証に切り替えていますが、まだブルーの方を使っています」
鈴江奈々アナウンサー
「同じく登録していますが、まだ(ブルーの健康保険証です)」
忽滑谷こころアナウンサー
「同じ状況です」
森アナウンサー
「リーダーがない所があったんですよね。それで、ブルーの方がいいかなと思って使っていました」
猪子記者
「私も同じような状況です。マイナ保険証を登録した人はどのくらいいるのでしょうか。デジタル庁によると、そもそもマイナンバーカードを持っている人は75.2%で、そのうちの81.2%が既に保険証としての利用登録をしています」
「ただ、今年9月に医療機関を受診した人のうち、マイナ保険証を利用した人の割合は20.9%にとどまっています。まだ、今の保険証を利用することが多いという厚生労働省の推計値もあります」
忽滑谷アナウンサー
「どちらも使えるとなると、『これまでのものでいいか』という人が多いのかもしれないですね」
猪子記者
「では、12月2日からどうすればよいのでしょうか。3つのパターンに分けて説明します」
「まずマイナンバーカードを持っている人で保険証としての利用登録をしている人は、マイナ保険証としてそのまま使えます。まだ利用登録していない人は、今からでもスマホのマイナポータルから登録できますし、医療機関や薬局などでも登録することができます」
「そしてマイナンバーカードを持っているものの利用登録をしていない人、マイナンバーカードを持っていない人には、『資格確認書』というカードが健康保険組合や自治体などから送られてくるので、これを保険証の代わりに使うことができます」
桐谷キャスター
「資格確認書は、自ら申請しなくても送ってきてくれるものなんですか?」
猪子記者
「申請をしなくても対象者には順次、有効期限が切れる前に無償で送られてきます。最長で5年で更新となりますが、更新が必要な時期になると再度自動的に送付される予定だということです」
「また、マイナ保険証に対応していない医療機関などがあった場合や、万が一カードの読み取りがうまくできなかった場合もあるかもしれません」
森アナウンサー
「読み取りができないパターンがあるんですね」
猪子記者
「そういう時はスマートフォンのマイナポータルの画面を受付で提示すれば大丈夫です」
森アナウンサー
「カードとスマートフォンがあれば、なんとかなるんですね」
猪子記者
「スマートフォンがない場合はどうするのでしょうか。『資格情報のお知らせ』という書面が郵送されている人もいるかと思います」
「ここに、保険証と同じように健康保険組合の名前や番号といった情報が書かれています。これをマイナ保険証と一緒に出すことで通常通りの診療が受けられます」
森アナウンサー
「マイナ保険証で基本的には大丈夫、リーダーでうまく読み込めなかったらスマートフォンと一緒に出す、スマートフォンがなければ『資格情報のお知らせ』を持っていれば大丈夫、ということですね」
鈴江アナウンサー
「読み込めなかった時、マイナ保険証だけを見せるのはダメで、『資格情報のお知らせ』が必要になるんですね。(マイナ保険証に)情報が書かれていないからですか?」
森アナウンサー
「マイナ保険証自体には保険証の情報が書いていないから、スマートフォンとセットで持っていれば安心ということですね」
猪子記者
「そうです。番号などが書かれているので、合わせて確認できるということです。では実際、マイナ保険証に変わるとどんなメリットがあるのでしょうか」
「マイナ保険証はカードリーダーにマイナンバーカードを置いて使います。画面に案内が出て、患者が過去の健康医療情報の提供に同意した場合、医師や薬剤師がこれまでの診療や薬の記録などを見ることができます(薬は2021年9月~、診療は2022年6月~)」
猪子記者
「医師は初診でも患者の情報を正確に共有できますし、救急搬送された場合、救急隊がマイナ保険証を端末で読み取ることで、迅速に正確な情報を確認できます。患者が説明する負担を減らし、また搬送先の病院をスムーズに選ぶことにもつながるということです」
「薬の情報では、例えば『この薬は別の病院で処方されているからいらない』『これは一緒に飲んではいけない薬だから処方しないようにします』など、お薬手帳の役割も果たします。お薬手帳を持っていなくても、総合的な判断ができるといいます」
桐谷キャスター
「お薬手帳は持っていくのをうっかり忘れてしまう時がありますよね」
森アナウンサー
「うっかりどころか、いつもシールをもらってしまいます」
鈴江アナウンサー
「医師から聞かれても薬の名前を覚えていなかったり…」
桐谷キャスター
「曖昧で答えられないこともあります。そういう時にも、マイナ保険証があればきちんと情報が共有されるということですね」
鈴江アナウンサー
「災害が起きた時に避難所で、普段何の薬を飲んでいるか分からないという場合も、情報がつながっていることで医師に共有してもらえることも目指しているようです」
「情報が移行していく、デジタル化が進む途中は様々なトラブルはあると思いますが、何よりも利用者が安心して使える仕組みが整ってほしいですね」
森アナウンサー
「正直なところ、最初は面倒くさいです。そこを乗り越えたら便利になると思って私はやりました」
猪子記者
「手元にある健康保険証があと2週間ですぐに使えなくなってしまうというわけではありません。まずは、自分の保険証がマイナンバーカードとひもづいているかどうかなど、きちんと状況を確認して、今後に備えていきたいですね」
(2024年11月20日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)