×

【速報】部活動で「死ね」「汚い」いじめでPTSD発症し転校「学校に認識の甘さ」県が再調査結果公表「どこの学校でも起こりうる」

2024年8月5日 13:00
【速報】部活動で「死ね」「汚い」いじめでPTSD発症し転校「学校に認識の甘さ」県が再調査結果公表「どこの学校でも起こりうる」
奈良県が再調査結果を公表(5日)

 2018年、奈良県の私立中学に通っていた女性が部活動で同級生からいじめを受けていた問題で、県は5日、いじめに関する再調査の結果、教職員や学校側に認識の甘さや対応の不備があったと結論付けた調査結果を公表しました。

■被害女性「私はずっと学校に行きたかった。学校に向き合ってほしかった」

 5日午後に行われた会見で、県の担当者は「今回の事案は、どこの学校でも起こりうる事案。いじめに対する理解が足りなかったことや教職員がいじめを十分に認識できていなかったことが挙げられる。スクールカウンセラーなどの設置も現在は進んでいるが、それをどう運用していくか、連絡協議会での意見も聞きながら考えていくことになる」とコメントしました。

 調査報告書の公表を受けて、被害を受けた女性らも会見を開き、「学校に対しては、私に向き合ってほしかったという気持ちでいっぱいです。加害者はただ注意されただけで学校に行けるのでしょうか。私はずっと学校に行きたかったです」と時折、声を詰まらせながら話しました。

■練習試合中に「負けろ」 転校を余儀なくされる

 調査報告書などによりますと、2018年、当時中学1年生だった女性は、所属する部活動で同級生らから、「死ね」「汚い」といった暴言を浴びせられたり、練習試合中に「負けろ」などと言われるなどのいじめを受けました。女性は不登校になり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断され、高校で転校を余儀なくされました、

 2020年、私立中学は「いじめ重大事態」として第三者委員会を設置し、2021年に調査報告書を公表。6件の行為について「いじめがあった」と認定しましたが、女性とその保護者らは、調査結果には不備・不足があり、さらなる詳細調査といじめの事実認定が必要だとして、県に再調査を求めていました。

 5日、再調査の結果が公表され、いじめが重大化した原因として「教職員・学校側における認識の甘さや初動対応の拙さ、いじめ覚知後の対応に不備があった」と指摘しました。県は、今回の調査報告書で盛り込まれた提言を、「奈良県いじめ防止基本方針」に反映するとしています。

■再調査で新たにいじめ認定されず「認定基準見直してほしかった」

 一方で、生徒らから「来なかったらいいのに」「サボっている」と言われ、女性がいじめに該当すると新たに主張していた2つの事案については、女性に直接言われたことではないとして「いじめに該当すると判断できない」としました。

 女性の母親は今回の報告書に一定の評価をしながらも「一つ一つの認定に関して疑問がある。いじめの定義も、周りの人が『あれはいじめなのではないか』と思った時点でいじめだと思う。その点の認定基準は見直していただきたかった」と話しました。

読売テレビのニュース