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アギーレ監督を解任 “八百長”告発受理

2015年2月3日 23:54

 日本代表・アギーレ監督の八百長疑惑で、日本サッカー協会は3日、スペイン当局に告発が受理されたことを受けて、アギーレ監督を解任した。

 3日夕方、緊急会見を行った日本サッカー協会。

 日本サッカー協会・大仁邦彌会長「昨日2月2日の夜遅くに『アギーレ監督に対する検察の告発が受理された』という事実が確認された。これから捜査がはじまり、その後には起訴され、裁判が始まる可能性があります。ワールドカップアジア予選にできるだけ影響がでないように、そういうリスクを排除したい、リスクを排除する必要があるというふうに考えました。今回、アギーレ監督との契約を解除するという結論に至りました」

 告げられたのはアギーレ監督の解任だった。去年8月に日本代表監督に就任したアギーレ監督は、「日本代表監督は私のキャリアの中で大きなチャレンジだ」と話していた。ところが、その後、浮上したのは“八百長疑惑”だった。

 疑いが持たれているのは、2011年5月に行われたスペインリーグ最終戦。当時、アギーレ監督が率いていたサラゴサは、この試合で勝利し、1部リーグ残留を決めている。しかし、この試合前、サラゴサ側から相手チームの選手らに日本円で約1億4000万円が渡っていたとして、スペインの検察当局は去年12月、アギーレ監督ら41人を告発したのだ。

 去年12月に行われた会見でアギーレ監督は、「プロサッカーに関わって39年、私のキャリアの中に汚点は一切ない。それは信じてほしい」と、八百長への関与を繰り返し否定した。

 疑惑の中で迎えた先月のアジアカップ。連覇がかかる日本代表だったが、決勝トーナメント1回戦でUAEに敗北。これが、アギーレJAPANとしての最後の試合となった。実は、この試合後、大仁会長は、「私は監督の力、手腕、それは高く評価しています。これまでの代表チームの強化、チームづくりは順調に来ていると思います。今のままだと続投ということだと思います」と、監督続投を明言していた。

 それからわずか10日での解任劇。このタイミングでの決断について大仁会長は次のように話した。

 日本サッカー協会・大仁邦彌会長「告発が受理されなければ何の問題もなく、今後もこの体制でいけるというふうに考えておりましたので。我々もいろんな想定をしていたが、(告発が)受理されたというところで、こういう結論に達したということです」

 スペインに滞在中のアギーレ監督には、3日午後2時頃に契約解除を申し入れたという。

 日本サッカー協会・大仁邦彌会長「(Q:アギーレ監督は何と?)『やむを得ない。わかりました』と」

 スペインの地元紙によれば、告発されたアギーレ監督ら41人は今月25日から起訴するかを決める「予審」に出頭する必要があるという。6月からはワールドカップアジア予選が始まる。捜査が代表チームに影響することは避けなければならなかった。

 大仁会長は、アギーレ監督を代表監督に選んだ責任を問われると―。

 日本サッカー協会・大仁邦彌会長「あの(選任した)時点でこういう情報はなかったですし、彼の高い能力からすれば、監督に選任したということについては、私は間違いではなかったと思っていますが、代表チームの選手に申し訳なかったと思っています」「(Q:こういったことに巻き込まれたことは日本になかったが)私どもも今回、反省しています。もっとしっかり調べておくべきだった」

 解任を受けてアギーレ監督はコメントを発表した。

 アギーレ監督のメッセージ「日本で仕事ができたことはとても幸せでした。日本のサポーターの皆様の応援に感謝しています。日本代表チームの将来に幸運を祈っています」

 一方、疑惑の舞台となったスペイン。大手スポーツ紙の電子版は監督解任を速報で伝えた。

 25年間、日本代表を取材するサッカージャーナリストは―。

 サッカージャーナリスト・増島みどり氏「非常に幕引きも早かったなという印象を持ちました。ただピッチの中だけでなく、人柄だけでなく、契約とかそういったことにまで踏み込んで、全部やっていかないといけないという教訓になるのでは」