【高校サッカー佐賀全力応援】新しい景色を見たい―「佐賀東」を応援したい5つのこと
1.世界の舞台で活躍するアスリートを輩出
1963年に創立した男女共学の県立高校、佐賀東。今年度から県内唯一となるスポーツ科を新設し、佐賀県のスポーツの発展や世界を背負って立つアスリートの育成に貢献することを目指しています。
サッカー部に加え、バスケ部・なぎなた部・空手道部などの運動部も非常に盛んで、サッカー部OBの平河悠選手(イングランド・ブリストルシティFC)はパリ五輪に出場。世界を舞台に活躍する選手も輩出しています。
2.学校の歴史の新たな1ページを刻んだサッカー部
サッカー部の歴史は古く、今年で62年目。伝統のポゼッションサッカーを武器に夏のインターハイにはこれまでに17回出場するなど、数多くの実績を積み上げてきました。
冬の全国高校サッカー選手権は今大会で2大会連続14回目の出場。前回大会では、学校史上初のベスト8に輝きました。前回大会の主力を多く残す今年のチームが目指すのは、昨年度を超える佐賀県勢として初の全国ベスト4です。
3.夏の佐賀県王者との対決
試合は開始直後から動きます。前半5分、右サイドからのクロスに頭で合わせられ龍谷に先制を許します。それでもキャプテンの田中佑磨選手(3年)や10番を背負う大島弘賀選手(3年)など前回大会の主力6人を擁する佐賀東が慌てることはありませんでした。
ピッチを広く使いながら攻め続け、前半18分、ペナルティーエリア内でボールを受けた石川僚祐選手(2年)がキープし、こぼれ球に甲斐巧海選手(3年)が反応。同点に追いつきます。その後、前半33分にはペナルティーエリアの外から三原拓実選手(2年)が思い切り右足を振り抜き逆転ゴール。
後半7分には江頭瀬南選手(3年)が左足でグラウンダーのミドルシュートを決め3-1。その後は相手に主導権を握られる展開が続くも、キャプテンの田中選手を中心に経験値の高いDF陣が落ち着いて守り切り2大会連続の全国大会出場を決めました。
4.夏の悔しさをバネに徹底的にフィジカルを強化
前回大会で全国ベスト8に輝き、今年も大きな期待を背負っていましたが夏のインターハイ県予選では準決勝敗退。「もうこんな思いはしたくない」と選手たちはさらなる成長を誓いました。特に強化するポイントに掲げたのが「90分間走り切る体力」です。
そのために毎週火曜日に行ったのが100メートルを13秒以内で走り、それを30本行うというまさに「鬼メニュー」。フィジカル面・精神面ともに鍛え上げ、試合終盤にも攻守にハードワークを続けられるチームに成長しました。
そんな選手たちの中で蒲原晶昭監督が「チーム1の走力」と称賛するのが司令塔・中村琥道選手(3年)。1試合で12km以上走るという無尽蔵のスタミナです。
「守備も攻撃の部分でも走ることがありますが守備の場面では自分が戻ったらチームが楽になると思いながら走っています」
攻守にわたって支える“佐賀東の心臓”に注目です。
5.キャプテン中心に主体的に取り組み鍛えた戦術眼
例年以上に主体的な姿勢が目立つチームをまとめるのが、キャプテンの田中佑磨選手(3年)です。監督からも「まるで監督のようだ」と高く評価されています。
昨年度も2年生ながら学年関係なく上級生にも意見をぶつけチームを引っ張ってきましたが、今年はより磨きがかかっています。試合会場につくと田中選手を中心に選手たちだけでミーティングを行い、対戦相手に合わせた戦術などを確認しています。自ら考えて取り組んできたことで、試合中にも相手の戦い方を分析して対応できるようになったといいます。
フィジカルに加え戦術眼も鍛え上げてきた選手たちが目指すのは昨年度越えです。
「昨年度ベスト8という経験をしたのでさらに新しい景色を見たいですし佐賀県初のベスト4を佐賀東高校で達成して歴史を変えたいです」
佐賀東の初戦は12月31日に行われる流通経済大柏との2回戦。伝統のポゼッションサッカーに加え、強化された走力を武器に挑む佐賀東高校。昨年度、あと一歩のところで届かなかった国立の舞台、佐賀県勢初の全国ベスト4を目指します。
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/福岡放送)