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会見全文2鈴木健吾パリへ「タフさが大事」

2021年3月2日 0:19
会見全文2鈴木健吾パリへ「タフさが大事」

先月28日行われた「びわ湖毎日マラソン」での、2時間4分56秒の日本新記録樹立から一夜明けた1日、鈴木健吾選手(25)と、所属する富士通の福嶋正監督(56)が会見を行いました。鈴木選手は、「いろんな人から連絡をいただいたり、メディアに取り上げていただいたりして、日本新記録を出したんだなと少しずつ実感している次第です」と、喜びを語りました。

【以下、会見全文中編】

―(福嶋監督へ質問)1億円の褒賞金は今回出ないが、実業団の理事として働きかけなどはするか?

福嶋監督「ネットなどで記事は一通り見たんですけど、実業団として、東京五輪に向けてということで褒賞制度があったと思うのですが、東京五輪の選考はもう終わってしまっているので、今回健吾が日本記録になったんですけども、そこは残念ですけど、ルールがあるのでしようがないと思っています。ただ、まだ先のある選手ですから、東京はうちの中村匠吾(28)も代表になってますが、次のパリ五輪が(鈴木選手にとっては)年齢的にも1番狙いやすい時期になると思いますので、これからしっかりと計画性をもって取り組んでいくことが重要になってくるんじゃないかなと思います」

―前日に30キロの変化走がよかったと福嶋監督が言っていたが、どうよかったのか?

鈴木選手「30キロ変化走は、特別何か強い思い入れがあったとか、これがきっかけでいい結果が出たという感覚では正直ないんですけど、設定タイムも早い中で、ゆとりをもって練習をこなせたということから、良い状態にきているんだなというのを実感できたというのはありました」

―スピード練習の質を高めるために工夫したことは?

鈴木選手「トレーニングの中でスピードをあげるという上で、特別なことはしていないんですけど、何か今までと違ったことをするときにケガをしないように、しっかりスタッフとコミュニケーションを取って、練習の判断をするということをやってきたと思っています」

―次のステップに向けて強化していきたいポイントは?

鈴木選手「昨年1年間スピード強化とウエートトレーニングを強化してきたんですけど、まだまだ自分の中で形になっていない部分はあると思っているので、そこを強化していくということと、今までずっとケガをすることが多かったので、ケガをしないようにこれから練習の継続をしっかりやっていくことが大事なのかなと思っています」

―パリ五輪代表になるために、一発勝負で勝てるためのポイントは?

鈴木選手「勝つためには、中村匠吾さんがMGCのときに決めたような、一発で勝負を決めること、今回僕が一発で勝負を決めに行ったように、一発、爆発的なタイミングで勝負ができるような余力度だったりをこれから磨いていかないといけないですし、爆発的な力を発揮できるように、スピードというものももちろん必要になってくると思っています」

―福嶋監督から鈴木選手にこれから求めるものは?

福嶋監督「まずはマラソンで勝てた経験というのは必ずこのあとにもいきてくると思っています。やはり勝ちきることができたという自信と、日本記録が出たということで、その記録を他の選手たちも当然目指してくるでしょうし、破ってくる選手も出てくるのではないかという気もしています。健吾はまだ体がきゃしゃな部分もありますから、本人も年間を通して故障せずに過ごすことが1番と言っている通り、年間を通して故障せずに練習さえできれば、ある程度練習してきたものを試合で形にできる子ですから、あまり焦らず欲張らずに、故障させないように継続したトレーニングをしていくような形にしていくのが、1番健吾にはいいんじゃないかなと思っています」

―2時間3分台、2分台へのイメージ、手応えは?

鈴木選手「昨日4分台を出したんですけど、自分の予想以上のタイムだったので、実際それ以上の3分台、2分台というのはちょっと自分の中ではまだイメージがついていないんですけど、自分の中で少しずつマラソン練習というのが確立してきている部分はあるので、そこをさらに故障なく上積みしていけば、今後はそういったことも見えてくるのではないかなと思っています」

―打倒アフリカ勢という点での考えは?

鈴木選手「そもそものスピード、地力をまずはつけないといけないなと思っていますし、そういうアフリカ勢と戦うのであれば、国際大会・海外の大会に出場して、そういう選手と間近で戦う経験値を、これから少しずつ、つけていくのも大切だと思います。代表になるんだったら暑い時期に勝負すると思うので、暑い環境でもしっかり自分の力を発揮できるタフさが、これから大事になっていくんじゃないかなと思います」