カーリング藤澤五月のピンクの手袋は、あの意外なメーカーに特注したものだった!
18日、五輪では史上初となる決勝進出を決めたカーリング女子日本代表の「ロコ・ソラーレ」。藤澤選手らが競技で使っている手袋にはある秘密がありました。
■ロコ・ソラーレの手袋は「クラレ」への特注品
カーリングで選手が着用している手袋。よく見ると、そこには「Clarino(クラリーノ)」の文字が。
「クラリーノ」は素材メーカーのクラレが開発した人工皮革。ランドセルやゴルフなどの手袋にも使われている素材です。ロコ・ソラーレの選手が着けている手袋は、クラレへの特注品だったのです。
なかでも藤澤五月選手のピンクの手袋はひときわ目を引きます。クラレの担当者に聞くと、それぞれの手袋には、そのポジションならではの“こだわり”が詰め込まれていました。
■専用の手袋はメンバーそれぞれの手形を採寸しデザイン
クラレの担当者によると、ロコ・ソラーレの選手が着けている手袋は、2017年に開発されたもので、平昌五輪でも着用されていたといいます。
開発のきっかけは、以前、ロコ・ソラーレの本橋麻里さんがクラリーノのランドセル基金のプレゼンターを務めたことで、その後も関係者同士の交流が続き、選手のカーリング用手袋開発の話が進んだとのこと。
それまでクラレはカーリング用の手袋を作ったことがありませんでしたが、クラリーノの素材はゴルフや自転車、釣り用の手袋に幅広く採用されていて、手袋作りに関する豊富な知見があったといいます。
専用の手袋は、メンバー1人1人の手形を採寸し、スキップ、スイーパーなど、各ポジションが要求する性能のほか、カラーやフィット感などメンバーそれぞれの要望に合わせて、デザイン・設計されました。
■各選手の「こだわり」藤澤選手「ピンクのワケ」
例えば、主にスイープをするセカンドのポジションの鈴木夕湖選手は、生地にフィット感が出る方がスイープしやすいとして、薄手の手袋をリクエスト。
また、自分の投球時以外はチームに指示を出してゲームを進めるスキップの藤澤五月選手は、待機時間にも指の感覚が保たれるように、保温性を重視した厚手の手袋をリクエストしたといいます。
さらに藤澤選手の手袋のカラーはビビッドなピンク。ピンク好きだという理由のほかに、他の選手に指示出しのジェスチャーを伝える時に、派手な色だと見えやすいという意味合いもあるそうです。
金メダルをかけた運命の決勝戦は20日。試合観戦の際に、選手の手袋にも注目です。