【高校サッカー岩手全力応援】難敵を撃破し、ようやく掴んだ全国の切符「専大北上」を応援したい5つのこと
その北上市に学校を構えるのが、12月28日に開幕する第103回全国高校サッカー選手権大会に岩手代表として出場する専大北上です。12月29日の全国大会1回戦では高知代表の高知と浦和駒場スタジアムで対戦しますが、その岩手代表・専大北上の応援したい5つのポイントを紹介します。
1.新校舎・人工芝グラウンド完成
学校創立73年を迎えた専大北上。市の中心部に位置する私立学校で、夏の甲子園出場経験がある硬式野球部はOBに元プロ野球選手の畠山和洋さんがいます。
また今年は新校舎を含めた建て替え一体整備事業が完了。グラウンドも全面人工芝に生まれ変わりました。
2.着実にステップアップを続けるサッカー部
ことし60周年を迎えたサッカー部は、2019年夏にインターハイ初出場を果たすと、同年の選手権全国大会(98回)は初出場で全国初勝利。以降、県内有数の強豪校に成長し、ここ2年はプリンスリーグ東北で2シーズン連続の残留を決めるなど、着実に力をつけています。
長らく遠野や盛岡商などの公立校が席巻した岩手の高校サッカー界に風穴を開けているのが私立・専大北上です。
3.5連敗中の宿敵・遠野にリベンジ
11月に行われた全国高校サッカー選手権大会岩手決勝。相手は去年夏のインターハイ予選から公式戦5連敗で、全て決勝で敗れている遠野でした。
「ロースコアの展開になりそう」と話していた小原昭弘監督の予想通り、試合は両者無得点のまま延長戦に。
すると延長開始早々、藤枝快成選手のロングスローから、こぼれ球に反応した小野寺聖月選手が頭で押し込み、専大北上が待望の先制点を奪います。
しかし延長後半6分に遠野が同点に追いつき、決着はPK戦に。
両者3人ずつ成功し、迎えた4人目。途中出場のGK高橋蒼選手が見事なセーブを見せ流れを呼び込むと、最後はキャプテンの成田大悟選手が決め、ライバル遠野を撃破。3大会ぶり3度目の全国出場を掴みました。
4.CBを中心とした堅い守り
専大北上は、堅い守りから縦に速く、サイドを使った攻撃が特徴です。岩手大会では、遠野・盛岡商など県内の強豪校と対戦しましたが、4試合でわずか1失点と鉄壁の守備が光ります。
小原監督は「ことしのチームは力のある代ではなかったが、1年で大きく成長した。成田と伊藤のCBに安定感が生まれたことが大きいし、全国レベルの強豪校が揃うプリンスリーグでも失点数が少なかったのは自信に繋がった」と話します。
5.昨年の悔しさを糧に成長を遂げたキャプテン
中心は、対人の強さとフィードの質を武器にする守りの核でキャプテンの成田大悟選手(キャプテン)です。
昨年は2年生ながらセンターバックとしてスタメン出場するも、決勝の遠野戦でマークを剥がされ、痛恨の失点。その1点で全国大会出場を逃しました。
雪辱を誓う成田選手は新チームでキャプテンに。「自分がチームの犠牲になる」と、嫌われても良い覚悟で、仲間に接しました。時には涙を流しながら強く当たったこともありましたが、すべては選手権で勝つため。
迎えた11月の全国高校サッカー選手権岩手大会決勝。ロースコアの激闘はPK戦の末、最後は自らの足で全国の切符を手繰り寄せ、目に涙を浮かべて喜びを分かち合いました。
優勝インタビューでは「去年は自分のところで失点してしまい先輩たちに申し訳ない気持ちがあった。この1年間、去年の3年生への恩返しのために優勝を届けたいという思いでやってきたので勝てて良かったです」とコメント。
次に見据える先は、岩手県勢として盛岡商以来18大会ぶりの全国制覇。去年涙をのんだ先輩たちへ、感謝の思いを込めて挑みます。
専大北上の初戦は12月29日に行われる高知代表・高知高校との1回戦。選手全員初めての選手権全国大会の舞台で、まずは学校として5大会ぶりの初戦突破を狙います!
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/テレビ岩手)