駒澤大学の大八木総監督が涙の篠原倖太朗にかけた“言葉” エース対決で流した涙を力に
■涙…エース対決に敗れた出雲駅伝
1位でたすきを受け取った國學院大學の平林清澄選手を追って、4秒差で駒澤大学の篠原選手、24秒差で青山学院大・太田蒼生選手が続きます。駒澤大の篠原選手はすぐさま前を走る國學院大・平林選手に追いつき、一騎打ちの争いに。しかし、4㎞地点で國學院大・平林選手がスパートをしかけると、篠原選手はあっという間に突き放され、2位に沈みました。
レースを終え、悔しさをにじませる篠原選手は、タオルで顔を覆うように涙。その姿を見守った大八木弘明総監督は、「いい経験をしましたね」と一言。「やっぱり数々の先輩たちがやってきたことはなかなかできない。そんなに簡単に自分を強いと思ったら大間違いだ」と奮起を促しました。
■“出雲の悔しさ”を糧に全日本駅伝で魂の力走 自らを責める後輩にかけた言葉とある物とは
11月の全日本大学駅伝を4日後に控えた駒澤大・篠原選手は、「ふとした時に(出雲駅伝を)思い出してかなり苦しみましたけど、やらなければいけない。(全日本はチームを)勝たせます」と力強く宣言。
そして、迎えた当日。チームは2区を走った1年生の桑田駿介選手が、区間17位とブレーキ。2区終了時で16位と出遅れます。
それでも、3区から追い上げを開始。國學院大學の平林選手、青山学院大学の太田選手ら各校のエースが集う7区を任された篠原選手は、5位でタスキを受け取ります。
出雲駅伝で敗れたライバルを相手にリベンジを誓った篠原選手は、出雲の悔しさを晴らす力走。順位を2つ押し上げ、前を走る平林選手と太田選手を上回る区間賞となりました。
その後、最終8区では3年生の山川拓馬選手が驚異の猛追で青山学院大をかわし、1位國學院大學に次ぐ2位でフィニッシュ。選手の諦めない姿勢に藤田敦史監督や大八木総監督も笑顔で選手たちを迎えました。
レース後、2区17位に沈んだ桑田選手は、自分を責めるように涙。閉会式後にキャプテンは、背中をさすりながら「(悔しさを)忘れないで」とある物を渡します。それはもらったばかりの区間賞のトロフィー。いつか桑田選手が自分で獲るそのときまでと、後輩を思ってのエールです。
駒澤大学は昨季、出雲駅伝、全日本大学駅伝と優勝し、史上初の2年連続3冠に挑戦したものの、青山学院大学に阻まれ、箱根駅伝は総合2位。
1区で区間賞も悔しさを経験した篠原選手は、「前回、箱根を獲れなかった時にすべてを失った感じになった。逆をいえば、箱根を獲ればすべてを獲れた感じになるので、しっかり箱根では勝ちたい」と決意。頼れるキャプテンが率いる駒澤大学は、箱根駅伝で王座奪還を目指します。