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【区間賞一覧】7年ぶりVの立命館大から4人 区間新2人と盤石リレー 拓殖大・不破聖衣来は区間賞の留学生にわずか6秒差と復活の力走 〈富士山女子駅伝〉

2024年12月31日 12:30
【区間賞一覧】7年ぶりVの立命館大から4人 区間新2人と盤石リレー 拓殖大・不破聖衣来は区間賞の留学生にわずか6秒差と復活の力走 〈富士山女子駅伝〉
優勝した立命館大学の選手たち(写真:日刊スポーツ/アフロ)
◇全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)〈30日、富士山本宮浅間大社前~富士総合運動公園陸上競技場:全7区間43.4キロ〉

立命館大学が2時間01分09秒の大会新記録で7年ぶり6度目の優勝。10月の全日本大学女子駅伝とあわせて今季2冠を達成しました。優勝した立命館大学からは区間新記録2人を含む4人が区間賞を獲得しています。

■区間タイ記録が生まれるハイペースの1区

1区(4.1km)では、全日本大学選抜の小川陽香(立教大学2年)が従来の区間記録と同タイムである12分42秒をマーク。

勝敗を分けた素早い仕掛けについては、「監督から、『4キロしかないから最初から牽制せずにいける力あるから行ってみろ』と指示いただいた」と話し、日本インカレ10000mでも優勝した実力ある小川選手は区間賞の快走。

「タイムは全然意識せず、少しでも次の区間の人に早く渡そうと思って走っていたので、結果に結びついたことがすごくうれしい」と笑顔を見せました。

■日本体育大学の4年生が意地のごぼう抜き

2区(6.8km)では、日本体育大学の齋藤みう選手(4年)が躍動。

9位でタスキを受けると一気に8人抜き、区間記録には6秒及びませんでしたが、20分46秒で区間賞を獲得。トップでタスキをつなぎます。

レース後、「1区で(柳井)桜子がいい順位で持ってきてくれたので、前を追って自分で絶対に先頭に立って、少しでも後ろに楽に走ってもらえるように走りたいと思っていた」と振り返りました。

■3区では立命館大学のルーキーが圧巻デビュー

3区(3.3km)では、立命館大学期待のルーキー・森安桃風選手がトップと9秒差の3位でタスキを受けると、スピードランナーが集う3区で10分13秒の快走。順位を一つあげ、トップ日体大との差を3秒に縮めました。

森安選手は、「何としても全日本で勝って、富士山でも(勝利し)2冠したいという思いで、少しでも先頭と差を詰められるように、そして後ろとの差を開けられるようにという思いだけで走りました」と喜びを明かしました。

■立命館大学は1年生コンビが連続区間賞 山本釉未は2大会連続区間新に笑顔はじける

4区(4.4km)では、3区を走った立命館大学・森安選手から山本釉未選手(1年)へ1年生同士のタスキリレー。

駅伝デビューとなった10月の全日本大学女子駅伝で区間新記録の走りをみせた山本選手が、日本体育大学の4年生エース・山崎りさ選手との競り合いに勝ち、区間記録を1秒更新。チームを先頭に押し上げました。

山本選手は「素直に自分が区間新を出せると思ってなかったので本当にうれしいです。日本体育大学の山崎りささんや大東文化大学の蔦野萌々香さんと一緒に競い合ったからこそ出たタイムだと思うので、感謝の気持ちでいっぱいです」と笑顔がこぼれました。

■大東文化大学の留学生ワンジルが2年連続区間賞 不破聖衣来も力走みせる

各校のエースが集う最長5区(10.5km)は、大東文化大学のサラ ワンジル選手が2年連続の区間賞。

トップを走っていた立命館大学と36秒差の3位でタスキを受けると、あっという間に逆転。自身が前回大会で記録したタイムを上回る33分45秒の好走で、2位の日本体育大学に26秒差をつけました。一方、3年ぶりの富士山女子駅伝となった拓殖大学不破聖衣来選手は、6秒差の区間2位。6人抜きでチームを4位に押し上げる復活の走りをみせました。

ワンジル選手は、「去年より(タイムが)ちょっと上がっていました。(四元)桃奈さんにトップでタスキを渡すことが今日の目標でした」と流ちょうな日本語で思いを伝えました。

■6区は立命館大学4年生が執念の学生ラストラン

6区(6.0km)では、3位でスタートした立命館大学の福永楓花選手(4年)が激走。従来の区間記録を15秒更新する19分12秒で、2人を抜き先頭へ。全日本大学女子駅伝では出走が叶いませんでしたが、大学駅伝ラストランで圧巻の走りを披露しました。

福永選手は、「区間記録を意識して走っていたわけではないので、後から聞いて自分でもびっくりしています。前だけしか見ていなかった。走る前にコーチから『中地に1秒でもプレゼントしてあげて』と言われていたので、自分が絶対稼いでやるとすごい意識して走りました」と満足した表情をみせました。

■立命館大学アンカーは後続を突き放す快走 レース後は歓喜の涙

最終7区(8.3km)では、立命館大学のアンカーを務めた中地こころ選手(4年)が29分00秒で区間賞を獲得。2位と6秒差のトップでタスキを受けましたが、山上りとなるコースで後続を大きく引き離し、笑顔で7年ぶりとなる優勝のフィニッシュテープを切りました。

中地選手は、「沿道を走っていて、絶え間なく立命館を応援してくださる方がいて、本当にそれがきついときの背中を押してくれて、フィニッシュは感謝の気持ちでいっぱいでした」と喜びを語ります。高校から7年間切磋琢磨しあってきた主将の村松灯選手について、「どんなときでも灯がずっと走り続けてきてくれて、そんな最高のキャプテンとともに7年間を過ごすことが出来て本当に幸せな大学の4年間でした」と歓喜の涙を流しました。

区間賞は優勝した立命館大学から最多4人選出。2人が区間新記録と強さを見せました。7連覇を目指した名城大学は序盤の出遅れが響き8位。区間賞は全日本に続き0人でした。それでも5区を走った主将の谷本七星選手が区間4位で5人抜きと力走をみせました。

▽各区間上位3人
◆1区(4.1km)
1位 12分42秒 小川陽香(全日本大学選抜・立教大学2年)※区間タイ
2位 12分57秒 樽本知夏(兵庫大学1年)
3位 12分57秒 太田咲雪(立命館大学2年)

◆2区(6.8km)
1位 20分45秒 齋藤みう(日本体育大学4年)
2位 21分00秒 野田真理耶(大東文化大学2年)
3位 21分01秒 村松灯(立命館大学4年)

◆3区(3.3km)
1位 10分13秒 森安桃風(立命館大学1年)
2位 10分15秒 川瀬真由(大東文化大学3年)
3位 10分19秒 齋藤一乃(日本体育大学1年)

◆4区(4.4km)
1位 13分54秒 山本釉未(立命館大学1年)※新
2位 14分04秒 山崎りさ(日本体育大学4年)
3位 14分08秒 金子陽向(城西大学3年)

◆5区(10.5km)
1位 33分45秒 サラ ワンジル(大東文化大学2年)
2位 33分51秒 不破聖衣来(拓殖大学4年)
3位 34分40秒 尾方唯莉(日本体育大学4年)

◆6区(6.0km)
1位 19分12秒 福永楓花(立命館大学4年)※新
2位 19分23秒 嶋田桃子(日本体育大学4年)※新
3位 20分05秒 永長里緒(大阪学院大学4年)

◆7区(8.3km)
1位 29分00秒 中地こころ(立命館大学4年)
2位 29分35秒 石川苺(城西大学2年)
3位 29分50秒 新井沙希(拓殖大学3年)

最終更新日:2024年12月31日 12:30