羽生結弦「宮城県民として説明させて」しきりに氷を触れていた理由とは 3.11のショーに込めた思い
羽生結弦さんが座長を務めるアイスショー『羽生結弦 notte stellata』の2日目公演が3月11日に行われ、最後のスピーチで東日本大震災への思いを語りました。
震災から12年を迎える3月11日に、羽生さんのふるさと・宮城で行われた2日目のショー。タイトル『notte stellata』とは、イタリア語で"満天の星"を意味し、「震災の日の満天の星のように、被災地から希望を発信し、少しでも人々が笑顔になれるキッカケになれば」という思いが込められています。
公演の前、午後2時46分には出演者の黙祷が行われました。
羽生さんはソロ演技『notte stellata』や内村航平さんとのコラボ演技『Conquest of Paradise』、ソロ演技『春よ、来い』などを披露。
グランドフィナーレ後のスピーチで、東日本大震災への思いを語りました。
「こうやって希望や祈りをたくさん届けたつもりですけど、ここでなぜここの氷にたくさん手をつけていたか、そして手をついて上に気持ちを上げていたか、少しだけ宮城県民として説明させてください」と切り出します。
羽生さんは「ここは宮城県民、仙台市民、そしてすべての人々にとって本当に特別な場所です。ここは“遺体安置所”だったんです」と声を震わせながら語ると、「だから本当にたくさんの今ある命が、この場所に集まって、その中で僕がこんな演技をしてしまって、3月11日という日にこの演技をして、ここに氷を張って良いのだろうかという戸惑いはすごくありました」と心境を明かします。
「ただ今日『notte stellata』をやって、きっと震災に関わらなかった人も、震災で苦しんだ方も、そして震災のニュースを見て苦しんだ方も、ちょっとでも希望だったり、優しさだったり、そんな時間ができたのではないかなと思っています。僕が生きて今日という日を皆さんの前で、この会場で迎えることができたのは、少しでも意味のあるものになったのかなと、自分を肯定できます」
「人生は何があるか分からないですし、今世界情勢も平和では無いかもしれません。火種はたくさんあります。ただそのなかで少しでも平和で優しさにあふれた日々が訪れるように、この3月11日の『notte stellata』という星たちは、いつも皆さんの平和と優しさと幸せを願っています」と話しました。