早稲田大学駅伝監督に花田勝彦氏が就任 "参謀役"の相楽豊前監督とタスキリレー
今年の箱根駅伝で早大は13位に終わり、3年ぶりにシード権を逃しています。予選会からの再出発となりますが、名門復活へ、花田監督は抱負を語りました。
「早稲田大学競走部の駅伝監督を拝命したことを、非常に光栄に思っております。OB・OGや多くの早稲田ファンの皆さんの期待に応えられるようなチーム作りをしていきたいと思います。練習を見始めてからまだ11か月半ぐらいなので、まだチーム状況がしっかりつかめていませんが、個別に見ると非常に能力の高い選手はいます。今、特に箱根駅伝で上位校から離されているので、強豪校と競い合えるようなチーム作りをしていきたいと思っております。やはり皆さんが期待するのは駅伝の優勝だと思う。そこを目指していかなければならないと思っています」
■豊富な指導実績 箱根予選会のノウハウも
花田氏は、現役引退後の2004年から上武大学駅伝部監督に就任し、同大学を箱根駅伝初出場に導くなど、指導者としても手腕を振るいました。
2016年からはGMOインターネットグループ(GMOアスリーツ)監督として同チームをニューイヤー駅伝初出場に導いただけでなく、2021年東京五輪男子マラソン代表補欠の橋本崚選手らを指導しました。
まずは10月に箱根予選会が待ち受けていますが、「上武大学で12年間、箱根駅伝を目指したチーム作りをやっていましたので、予選会のノウハウはある。ただ、非常に高速化しているので、ノウハウを生かしつつも、GMOでの6年間の指導など、いろんなものをミックスしながら、確実に予選会を通るようなチーム作りをしていきたいと思っています」と、これまでの経験を生かし、本大会出場を目指します。
相楽豊前監督は、チーム戦略アドバイザーとして、花田監督とともに、引き続きチームの指導に当たります。
「コーチ時代も含めて、17年間このチームの指導に携わってきた経験から、花田監督にいろいろ提案、協議をし、2人で"令和版"の強くて魅力ある早稲田大学競走部を作るのに貢献していきたいと思っています」
コーチ時代の2010年~11年には、大学駅伝三冠を成し遂げていて、再び参謀役としてチームを支えることになります。
■世界で通用する人材を
花田氏は、早大在学時に同学年の櫛部静二氏(現・城西大監督)、武井隆次氏とともに「早大三羽烏」と呼ばれ、後輩の渡辺康幸氏(現・住友電工監督)らと共にチームの中心選手として活躍。1993年の第69回箱根駅伝では4区区間新記録を樹立し、総合優勝に貢献しました。
また、エスビー食品在籍時には、1996年アトランタ大会、2000年シドニー大会と2大会連続で、トラック種目でオリンピック出場を果たしています。
「瀬古さんに『世界を目指してほしい』と言われて早稲田に来て、私自身も世界を目指して競技に取り組んでいました。駅伝だけではなく、個人をしっかり育てるということも大事だと考えているので、日本を代表するような選手を育成していきたい。そこに近づいていく選手が6人、8人、10人と揃っていけば、出雲駅伝や全日本大学駅伝、箱根駅伝と、戦えるチームになっていくと思います」
早稲田大学OBといえば、昨夏の東京オリンピックでは大迫傑選手(Nike)が男子マラソンで6位入賞を果たしています。花田氏もまた、早稲田から世界へ羽ばたいた1人。駅伝だけでなく、世界を舞台に活躍する選手の育成に期待がかかります。