後継者は親族か従業員から選ぶべきか…良し悪しや最適な方策を中小企業アドバイザーの講話で考えるセミナー
企業経営の後継者を親族にするべきか、従業員の中から選ぶべきかを比較するセミナーが秋田市で開かれました。
参加者はこれまで長年築き上げてきた会社の最適な引き継ぎの方策を考えました。
これは秋田県事業承継・引き継ぎ支援センターが開いたものです。
中小企業アドバイザー後藤毅さん
「中小企業の場合はやはり親族内承継、親族の中に継ぎたいという人がいればぜひ候補者がいればまずそれを考えていただいて、それが難しければ従業員の中から。こういう順番になるのかな」
講師を務めたのは仙台で活動する後藤毅さんです。
全国的には企業の後継者を親族ではなく、従業員の中から選ぶ企業の割合が増えてきています。
中小企業アドバイザー後藤毅さん
「やっぱりこの背景には、お子さんがいてもなかなか会社を継いでくれるような環境にいらっしゃる方が少しずつ減ってきているのかな」
親族内での引き継ぎは、理念や価値観を共有し、安定した経営が期待できるメリットがある一方で、経営の視野が狭くなり、時代に適応できなくなる恐れがあるといいます。
また従業員への継承は、業務を熟知していて経営の引き継ぎがスムーズな一方、公正な選定プロセスが必要で、不公平感が生じるリスクなどがあるといいます。
中小企業アドバイザー後藤毅さん
「後継者の育成が不十分な場合、企業の成長が阻害されるリスクがありますので、ここも後継者をまず見つけたらですね、大事に育てていって、経営者としての育成期間を十分取っていただいて、バトンを渡していただく必要がある」
参加者は、これまで長年築き上げてきた会社の最適な引き継ぎの方策を考えました。
事業を受け継ぐ人
「今後、従業員の生活も守っていかなければいけないということを、昔から父に言われたり見てきたので、今度、自分たちがそれをやるとなると、どういう風な心構えと勉強していかないといけないかがあったので、きょうこのセミナーに参加させていただきました」
事業を受け渡す人
「人間をきちんと選ぶところもそうでしょうし、その人それぞれにあったやり方をどうやって育てていくか、その辺のベクトルを合わせていくところがポイントなのかなと思います」
秋田県事業承継・引き継ぎ支援センターは、親族や従業員に引き継げない場合は、第三者への売却も考えられるため、無料相談を利用して欲しいと呼び掛けています。