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「スタジアムをつくらなければ死んでも死にきれない」発言 サポーターに向けたものではなかったと真意を説明 秋田市・穂積市長

2025年1月15日 17:42
「スタジアムをつくらなければ死んでも死にきれない」発言 サポーターに向けたものではなかったと真意を説明 秋田市・穂積市長

秋田市の八橋地区で建設が予定されている、新たなスタジアムについてです。

去年、建設予定地が正式に決まり、一定の進展がありましたが、秋田市の穂積市長は、計画を前に進めるにあたり、こんな決意を口にしていました。

「スタジアムをつくらなければ、私は死んでも死にきれない」。

ブラウブリッツ秋田のホーム開幕戦が行われた、去年3月の発言です。

観客席がどよめく発言でしたが、穂積市長は、この発言が、サポーターに向けたものではなかったと、真意を語っていたことがわかりました。

今年も、年明け早々から様々な場所に出向き、様々な服に着替えて公務をこなしている、秋田市の穂積市長。

いまの任期が終わるのは、4月11日。

任期満了まで、3か月を切りました。

先月、次の市長選にも出馬して、5期目を目指すことを明らかにしていて、課題が山積する秋田市政を、さらに4年間、背負って立つ覚悟を示しています。

そんな穂積市長は、年末から年始にかけて、「今年の干支に絡めた決意」を繰り返し語ってきました。

「巳は脱皮してより発展し成長していくという意味」
「巳年は蛇ですから脱皮していくという…」
「一方で巳は脱皮をしていきますので」

ヘビの脱皮のように繰り返した決意とは対照的に、去年、一度だけ語ったのが、この言葉。

「スタジアムをつくらなければ、私も死んでも死にきれない」

去年3月、ブラウブリッツ秋田のホームゲーム開幕戦での発言です。

その日の観客は6000人を超え、発言には、どよめきも起こりました。

サポーターに向けての決意かと思われてきましたが、市長の真意は、実はそうではなかったことが、市の内部文書からわかりました。

「死んでも死にきれないという発言は、サポーターよりも、Jリーグ、FIBに向けての発言であった」

Jリーグ、そして、クラブがリーグに参加するための資格を審査する第三者機関・FIBに向けたメッセージだったと市長が明かしたのは、去年9月。

Jリーグのトップ、野々村芳和チェアマンと面会した際に、その真意を説明しました。

非公開で行われたトップ同士のやり取りの中での発言で、市への情報公開請求で、判明しました。

さらに、もう一つの狙いが。

「知事も市長もやる気ないというイメージが浸透しつつあったので、そんなことはないと申し上げたかったのが真意である」

この発言があった去年9月は、ブラウブリッツ秋田が、将来的に、J1に参加できる資格を得られるかどうかに関心が集まっていた時期です。

そのタイミングでの、Jリーグ、トップとの面会だったこともあり、市としての熱意を訴えるために発言の真意を語ったと考えられます。

やりとりの中で穂積市長は、ブラウブリッツ秋田の存続が、建設の意義の一つであると強調していました。

先週行われた記者会見の場で、「今年の漢字」を披露した際にも。

「下手だな…ちょっと待ってね…いいか」

披露した漢字は、「和」。

平和や調和を願ってしたためたと説明し、新たなスタジアムについても、「クラブと調和を図りながら」、計画を前に進めると決意を新たにしました。

秋田市 穂積 市長
「事業を成すのに、スタジアムひとつとってもね、ブラウブリッツであったり、本市であったり、県と、こういった関係者との調和を図っていかないと、なかなか前に進めない」

自治体が、建設計画を主導し費用も負担する「公設」方式で事業を進める可能性が高まっている、新たなスタジアム。

秋田市には、建設に関わる当事者や建設を強く望む立場だけではなく、様々な市民の意見に耳を傾けることが求められます。

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

新スタジアムについては、秋田市長選の争点の一つとなりそうですが、今月9日に出馬表明した県議会議員の沼谷純氏は、現時点で事業への賛否は明言せず、来月までをめどに市が示す計画の「たたき台」を確認したうえで、事業のあり方に関する考え方を明らかにすると話しています。

最終更新日:2025年1月15日 19:01
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