「指定管理鳥獣」のクマ 県は生活圏のすみわけや市町村との連携目指す 警察は新たにドローン購入を検討
捕獲や生息調査などが国の交付金の対象になる「指定管理鳥獣」にクマがこの春追加されたことを踏まえて、県は、新たな管理計画の素案をまとめました。
人とクマの生活圏のすみわけの推進や、市町村との連携により一層力を入れる方針です。
去年、全国で人がクマに襲われる被害が、これまでで最も多くなったことを受けて、今年4月にクマが指定管理鳥獣に追加されました。
捕獲や生息調査が国の交付金の対象になっています。
これを踏まえて、県は、来年度から5年間のクマの新たな管理計画の素案を県議会に示しました。
被害防止と捕獲、それに県民への普及啓発を3本の柱として掲げています。
人とクマの生活圏のすみわけを推進するほか、生息数の管理、それに対策を周知するキャンペーンの展開などを、市町村と連携して進める方針です。
県 自然保護課 千葉崇 課長
「クマの移動経路となるようなところの、やぶ払いですとか、放任果樹の伐採とか、そういったところの対策については、市町村と、さらに住民の方々の中でですね、この場所がいい、この場所が危険だということで、検討していただいているところに重点的に対策を講じていくと」
県は、近年になってクマの目撃情報が寄せられるようになった男鹿市と大潟村については、生息域にさせないために、徹底的に排除する方針を示しています。
素案は意見を公募して反映したあと、計画案として、来年2月に開会する県議会で審議されることになっています。
最終的に策定された計画は、3月下旬に公表される見通しです。
このほか、6日の県議会では、県警察本部が、スーパーの店内にとどまったクマの捕獲に向けた対応を振り返りました。
県警察本部 山本哲也 本部長
「最終的には警察官が慎重に、少人数、少し入っていただいて、目視して確認して、それで見つけたと。こういう状況になります。見つけたあとに押し込めた、きわめて狭くして。で、箱わなを仕掛けようと。こういうオペレーションだった」
県警察本部の山本哲也本部長は、クマの居場所を特定するまでの現場の対応について説明しました。
特に詳しく述べたのが、ドローンの活用についてです。
民間業者から協力の申し出があり、現場に投入したもので、売り場で飛行させた結果、クマがいなかったことから、バックヤードにいると判断したということです。
ただ、バックヤードではドローンが使えなかったため、最終的には警察官が店内に入り、居場所を特定したと説明しました。
この対応を踏まえ、県警は、比較的狭い空間でも飛行できるサイズのドローンを新たに購入することを検討する考えを示しました。
また、山本本部長は、クマの被害を防ぐための新たな装備品20着のうち、15着を今回の現場で使ったと明らかにしました。
頭や上半身を中心に守ることができるということです。
県警察本部 山本哲也 本部長
「クマの攻撃特性が、立ち上がってバッと上半身、顔を中心に狙ってくる特性を踏まえて、上半身だけ強化したんですけれども、やはり実際に中に入っていく隊員とか私指揮官の目からすると、下半身もある程度のプロテクターがないと受傷するだろうなと」
山本本部長は、太ももの裏側やふくらはぎをさらに防護する必要があるとの意見があったことを踏まえ、装備品の強化も検討する考えを示しました。