去年10月の衆院選「一票の格差」裁判 原告の主張をいずれも棄却し「合憲」の判決 仙台高裁秋田支部
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去年10月に行われた衆議院選挙のいわゆる「一票の格差」を巡る裁判が、全国各地の裁判所で開かれています。
このうち、県内3つの選挙区について、仙台高裁秋田支部は、19日、原告の主張をいずれも棄却し、選挙は「合憲」とする判決を言い渡しました。
この裁判は、去年10月に行われた衆議院選挙の無効を求めて、東京に本部を置く弁護士の団体が起こしたもので、原告は秋田県内の有権者となっています。
去年10月の衆議院選挙では、一票の格差を是正するため、2020年の国勢調査をもとに「10増10減」の区割りの変更が行われました。
しかし、議員1人あたりの有権者数が最も少ない鳥取1区を基準にすると、1票の価値に最大で2.06倍の開きがありました。
県内の選挙区では、鳥取1区に対し、秋田1区は0.88票、秋田2区は0.91票、秋田3区は0.73票の価値しかなく、選挙は無効だと原告側は訴えています。
19日の判決公判で、仙台高裁秋田支部の齊木利夫裁判長は、衆院選当時の区割りについて「憲法が求める投票価値の平等に反する状態にあったと言うことはできない」として、原告の主張を棄却し、選挙は「合憲」とする判決を言い渡しました。
原告側の代理人弁護士は、「いままで見た中で1、2を争うひどい判決」と怒りをあらわにしました。
代理人弁護士 多田幸生さん
「法律は一人複数投票制を容認しているんだそうです。こんな判決をよく書いたなと思いました。民主主義の危機であるという風に重く受け止めています」
判決を不服として、原告側は上告する方針です。